第一戦決着:最強最弱の決着 真央 ページ41
そうだ、駄目だ。まだ諦めちゃ駄目だ。
まだ、
私の動きに気づいたのか、白金ハルもまたバットを構え直す。
次の瞬間、私は足元に魔法陣を展開する。会場が騒めく程の、巨大で魔力に満ちた魔法陣だ。
頭の中が透明になっていく。雑音が無くなっていく。
全てが最高潮に達した時―私は叫んだ。
「幻想『普通の少女の代わり映えの無い最高で最強な毎日』!!!」
パリン
何かが、割れた音がした。
困惑した様子の相手に、私は肉薄する。
相手のチート性能を、一時的に全て壊す。これで相手の性能は普通の人間と同じだ。
相手は、一切の抵抗をしなかった。…いや、出来なかったと言った方が正しいだろう。何せ、編集で動けないようにしたのだから。
「…フゥ…」
私は、手を振り下ろす―
・
ペチン
・
「…え?」
会場に響いたのは、白金ハルの呆気にとられた声だった。
相手は右頬に手を当て、自分が平手打ちされた事を理解する。
「…はー…
…私の、負けだよ」
ブツッ
『第一戦、勝者は白金ハルだーッ!…で、エインセル、これは一体どういう事だ?』
『はは、簡単なことだよ。彼女のラストワードで白金ハルの攻撃が効かないという性能を一時的に消しつつ、攻撃力は無くとも危害を加える…
―即ち、鬼灯真央の最後の悪足掻きって事かな』
解説役の大正解の解説の声と共に、私は地面に倒れこむ。会場全体の空気が揺らぎ、そこにはテレポートしたカノンとそれに捕まって同じくテレポートした一軒家組メンバーがいた。
「まっっっじで学習しろやお前!志貴の時もそうだったし!もう一生成績マウント取らせねぇからな!」
「いやまぁ落ち着けって、今回は気失う程じゃないから」
「そういう問題じゃねぇだろ…」
「ええ…勝てないからって悪足掻きに平手打ちとか…常人じゃ思いつかないわよ…」
「そーだよ、とりあえずは梢の仇取ったからね」
「いやー、ほんまに毎度毎度皆には驚かされるなぁ…まぁ何はともあれ、ありがとうな」
「ていうかお前そんなチート技持ってたのかよ、私と戦わねぇk((マジで黙りなさいってあんた!」
そのあまりにもいつも通りのやり取りに、思わず笑ってしまう。
私は負けた。
でも、それ以上にもっと大切なものを得た満足感を―漠然と感じていた。
そういうことにしよう。そうしよう ハル→←第一戦:届かない 真央
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フウ(プロフ) - 続編完成しました!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami13355/】続編第一話に不満があればお願いします…! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました。ついでに続編作ります! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - OKです!更新します! (2023年4月25日 21時) (レス) @page48 id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新しました!(フウさん、憂梦の扱いは容赦なく刃を振るなり手を差し伸べるなり何か別の展開にするなりお好きにどうぞ) (2023年4月25日 19時) (レス) @page48 id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新します! (2023年4月25日 19時) (レス) id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年4月4日 10時