story_11伊野尾side ページ11
『もう、お見舞い良いよ。』
一瞬言葉の意味が分からなかった
もう良いよって、何?
来ていいのか来ちゃダメなのか、分からない
分かりたくない
『いいから!本当にもう、大丈夫だから。』
俺は諦めるしかなかった
みかんの5個入った紙袋を置いてもう入ることのないであろう病室を出た
1個だけ超すっぱいみかん買ったのに
すっぱいみかんを当てるゲームしようと思ったのに
Aちゃんなんて、それに気づかずにすっぱいみかん食べちゃえばいいんだ。
俺、ちっちぇーかなぁ。
マネ「伊野尾くん、Aさんから連絡あったよ。」
「えっ!なんて?」
マネ「お世話になりました、伊野尾くんに今までありがとうと伝えておいてくださいって。」
「……なんで。」
お礼なら俺に直接言ってくれたっていいのに
マネ「最後の日までお見舞い行くんじゃなかったの?」
マネージャーのその質問に返事が出来なかった
行くつもりだったよ、俺だって
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作者名:ていく | 作成日時:2016年4月17日 14時