風花とミルクティー 2 (ページ38)

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目「はい、これ。」

いつの間にか前にいた蓮にペットボトルを渡される。
私がリュックのサイドポケットに入れていたものを取ってきてくれたんだろう。

『あ。』

目「うん、Aのだから。飲みな？」

『ありがとう。』

佐「頭痛？」

受け取って飲み始めれば、私が水分不足で頭痛がするタイプだと知っているさっくんが蓮に聞く。

目「そうみたいです。」

佐「A、頭痛薬は？」

『んー、多分まだあるけどー』

佐「飲み物は……無くなりそうだし、阿部ちゃんと涼太が買い物行ってるから、お茶か水買ってきてもらうか。頭痛薬も一応あれば買ってもらおーっと。」

テキパキしてるんだか、いつもの調子なのか。
よくわからないさっくんが、素早くスマホを打つ様子をじっと眺める。
その間に廊下からパタパタと足音がして。

ラ「Aちゃん、大丈夫？！」

そう言って、ラウールが楽屋に駆け込んで来た。
その後ろには康二くんもいて。

『……何で？』

目「あー、やっぱ2人も気付いたんだよね、あの後。そうじゃなきゃ、3人で連係プレーでAのこと支えられないでしょ(笑)……だから、スタッフさん達への挨拶、康二くんとラウールに任せちゃったし(笑)」

『あ、挨拶！……そっか。ごめんなさい。』

向「まぁ、Aの体調も大事やしね、こっちは特に問題なかったで。」

ラ「結局、めめが一番良いとこ持ってくんだもん。ずるいよ！」

向「まぁ今回は最初に気付いた特権やな(笑)」

深「取り敢えずお前らは着替えてこい(笑)」

ラ「はーい！行こ、めめ、康二くん！」

『あ、私も！』

佐「あ、バカ！」

そう言って急に立ち上がったのが悪かったのか。
またもやグラッと視界が歪む。
咄嗟にしゃがみこもうとする前に、さっくんに支えられた。

佐「はい、Aはもう少し休憩ね？」

にこやかに言いつつ、絶対に拒否させないという圧も感じる。
ここは素直にいうことを聞くべきだな、と思って頷けば、ポンポンと頭を撫でられ、またソファに一緒に座った。

佐「目眩続いてる？」

『んー、ちょっと。』

佐「じゃあ目瞑っときな。」

『ん、ありがと、さっくん。』

その言葉に甘えさせてもらおうと、大人しく目を閉じればゆっくりと頭を撫でられる感触がした。