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深「俺たちのこと、守ってくれてたんだよね?……けど、阿部ちゃんも言ったように、俺たちだってAを守りたいの。大切なメンバーなんだから、ね?」
『……』
俺の顔をまっすぐに見つめて。
それから目線を落として、唇を強く噛んだ後、Aは息を吐いてから顔をあげた。
『……あの人は、ここ何年もお世話になっている取引先……コンサートのお客さんの誘導とか、色々なことを引き受けてくださっている会社の方です。』
深「うん。」
『この間、担当者の方が変わって今の人になりました。まぁ、やっぱり私のことは気に入ってもらえなかったみたいで。……それはまぁ別に良かったんだけど。』
佐「……うん。」
『私ができてないってことは、グループ全体だって良くないとか、このままじゃSnow Manのコンサートは引き受けられないとかって言われて。私のせいで、みんなに迷惑かけちゃうって。……それに、私ができてないからって、他のスタッフさんまで怒られたりしてて。だから、』
岩「だから、Aが全部背負おうとしたの?」
少し怒り気味の照がそう言うから、Aは黙ってしまって。
また唇を噛んで俯いた。
岩「それじゃあ俺らは嬉しくないけど。」
『……』
岩「……Aが優しいことは知ってるよ。でも、じゃあA、お前は誰に優しくしてもらってる?」
『え?』
岩「誰に弱音吐いてんの?」
佐「A、照はね、Aにちゃんと頼ってほしいんだよ。」
阿「誰かが怒られる役割を引き受けるしかないなら、自分がって思ったんでしょ?」
向「……ほんまに、昔から優しいんやから。」
照の強い言い方を佐久間がフォローして。
阿部ちゃんと康二は切ない顔で笑った。
きっと何度も、こうやって損してきた姿を見ているんだろう。
深「A、もうそんなに抱えなくて良いから。」
『ふっか。』
深「もうさ、ちゃんとしよう。」
そう言った俺の言葉に、Aはよくわからないといった顔で首を傾げた。
深「Aは、うちのメンバーなんだから、スタッフさんではないから。そこはもう、任せても良いんじゃない?」
『……けど、』
渡「だって、そしたらお前はいつまで兼ね続けんの?無理じゃね?」
『……それは、』
宮「Aのその経験は無駄にならないよ。むしろ、俺たちの今後にプラスだと思う。だけどね、今までとはもう違うから、ちゃんと伝えないと。」
『……』
目「……A。」
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作者名:慈雨 | 作成日時:2019年9月23日 16時