風花とミルクティー 2 (ページ20)

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佐久間くんが言うには、中学時代から少しずつピンチヒッターの役割になっていたらしいし、高校生の時からスタッフさんの役割も兼ね始めていたとか。
阿部くんに聞いたら、学校あるときはそっち優先で、その後ほぼ毎日レッスン来たり自主練してたはずだよって言ってた。
前にこっそり、Aちゃんの高校を調べたら、その地域では有名な進学校だったし。
……つまり、本人が言ってるよりよっぽど大変だったってことだよね？

ラ「けど、Aちゃんも忙しかったでしょ？」

『私、表に出てないもん(笑)』

ラ「でも、だからこそ大変なこともあると思うし。」

『よしよし、ラウは優しいね(笑)』

ラ「すぐ年下扱いする！(笑)」

『本心だよ？(笑)』

ラ「ありがと(笑)」

『うん。』

ラ「……忙しかった中で、どうしてたか教えてほしいな？」

『あー、ラウまで私の扱いを覚えていく(笑)』

ラ「えへ(笑)……Aちゃん教えて、お願い！」

『んー、けど、私は絶対に隠し通さないといけなかった分、学校は毎日ちゃんと行けてたし。』

ラ「うん？」

『その時間だけはあったから、参考にならないと思うよ？』

ラ「けど行事も出るからって、その練習もちゃんと行ったりしてたんでしょ？」

『どっから聞いたの、その情報！(笑)』

ラ「康二くんに教えてもらったー」

『あー、もう！じーこ、後で覚えとけ！(笑)』

ラ「康二くん、ごめんー！(笑)」

『まぁ、でもさ、わかんなくなったら聞いたら良いよ。』

ラ「え？」

『阿部ちゃんもいるし、良いグループじゃない？(笑)』

ラ「ふふ(笑)」

『いつでも教えるから。もしかしたらラウールのために、高校無欠席だったのかもね？(笑)』

ラ「皆勤賞だったんだ(笑)」

『寝坊して遅刻はしたけど(笑)』

ラ「Aちゃん、朝弱いもんねー(笑)」

『数学とかは無理だから、阿部ちゃんに頼むとしてー、文系なら大丈夫だから。』

ラ「うん。」

『だから、安心して良いよ。ラウは大変だと思うけど、私たちもサポートできるとこはするから、無理しすぎないで？』

ラ「ありがと、Aちゃん。」

でも僕は、Aちゃんのこの優しさも賢さも、世間の人にも伝われば良いと思うんだけどな、なんて言葉は呑み込んだ。

今はまだ、僕たちだけが知っていて良い時期ってことでしょ？
……じゃあ、まだしばらくは僕だけの先生でいてね？