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終演後。
シャワーを浴びて飲み物を取りに行けば、同じくシャワー後のAとちょうど出くわした。
今がチャンスだと思い、話しかける。
岩「A?」
『あ!照くん、お疲れ様です!』
岩「お疲れ(笑)」
『今日はごめんなさい。いきなりあんなこと言い出して。』
岩「あんなこと?(笑)」
『あ、ずるい(笑)』
岩「さっきのAの真似(笑)」
『ごめんなさい。』
岩「謝んなくて良いから(笑)」
『でも、』
岩「で、どうしたの?(笑)」
『え?』
岩「いきなりあんなこと言うわけねぇから、何かあったのかなって。」
『……無かったらダメ?』
岩「いや、良いけど(笑)」
なんとなく直感で。
可愛いことを言いながらも、この話から逃げようとしている気がした。
岩「だけど、Aならいきなり言い出すの相当勇気いるだろうし、何かあったんだろ?……そうじゃなきゃ、あの後2回も頼まないだろうし(笑)」
これでダメなら阿部とかに聞いてもらうしかないけど。
今日はなんだかいけるんじゃないか。
そう思って、言葉に力を込めた。
『……』
岩「A?」
『……なんか、左足がずっとつりかけで。』
岩「は?」
『完全ではないんですけど、なんかずっと微妙だなーって。』
岩「いつから?」
『えっと、いつだろ?……いつの間にかだったんだけど……』
岩「じゃあ質問変えるわ。今は?」
『ん?』
岩「今もなわけね、冷やした?」
『いや、まだ……』
岩「は?!ほら行くから、俺の荷物持って。」
『え?!』
そう言って俺の荷物を投げると、Aが咄嗟に受け取った。
その隙を狙って、Aを抱えた。
『照くん?!』
岩「何?(笑)」
『これは、お姫様抱っこですよね?!』
岩「そうかも(笑)」
『いやいやいや!』
岩「動いたら落とすよ?(笑)」
そう脅せば、そんなことしないくせに、なんて言いながらも大人しくなって。
取り敢えず楽屋まで急いだ。
深「おか……は?」
ラ「……今日は仲良しの日なんですか?」
『あ、みんな!お疲れ様です!』
渡「いや、ちげぇよ!」
宮「翔太、違くはないよ(笑)」
岩「ほら、座ってて。」
向「A、どうかしたんすか?」
岩「なんかずーっと足がつりかけてんだって。俺、湿布とかあるか聞いてくるから、Aが立たないように見張ってて。」
ラ「はーい!」
元気良く返事をしたラウールと、何でちゃんと言わなかったの、とAに言っているふっかの声を背中に部屋を出た。
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作者名:慈雨 | 作成日時:2019年9月23日 16時