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渡「ん、わかった。」
宮「A、翔太も色々心配になったからだから。わかってやって。」
『わかってます。むしろ心配かけた私が悪いです、本当にすみませんでした。』
渡「いや、俺こそごめん。」
目「……なんかそれ、キスしそうっすね。」
お互いに謝って良い話っぽくなっていたところで、目黒が爆弾を落とす。
岩「お前、絶対それ今じゃねぇだろ(笑)」
目「あ、すいません(笑)」
佐「まぁまぁまぁ、取り敢えず翔太はいい加減触るの止めたら?(笑)」
佐久間にそう言われて、まだAの首を持ったような状態だったことを思い出す。
……確かに、と改めて意識すると予想外の近さに今更ドキッとした。
目の前のAは、何かを考えている顔をしているけれど。
『……翔太くん、今度どっかでやりましょうか?』
渡「どこでだよ(笑)」
『うーん、大人な感じでって言われたときに?(笑)』
阿「ほら、またAの仕事モード来たよ(笑)」
岩「ある意味、プロ意識高すぎんだよ(笑)」
宮「A、その前に痕をどう隠すかが先だから(笑)」
佐「Aは肌弱いからねー」
そんな佐久間の言葉に全員で、お前が言うのか、とツッコミを入れた。
けれど、実際そうなのだ。
Aの肌が(多分、本当に佐久間よりも誰よりも)弱いことは、もうわかっていたはずなのに。
この大切な時期に何してんだ、って思ってしまって。
勝手に思い込んで怒ったのに、謝ることすらさせないようにと振る舞うのが、Aらしい。
……自分の甘さだと、自分のせいだと思ってるんだろうか。
そろそろ準備しないと、と言った照の声で、その話は終わりになったけれど。
部屋を出る前に、Aは俺に近付いてきて。
『翔太くん、すみませんでした。この時期に何してんだって思わせましたよね。……だけど、恋愛っていうものは存在しないんで、そういう意味では安心してください。』
「え、」
ラ「Aちゃーん、早くー!」
『あ、うん!……じゃあ、先に行きますね?(笑)』
それはどういう意味なのか。
気になって聞きたかったけれど、聞くことができなかった。
Aの目が初めて見る目だった、と思ったことだけが、言葉と強く結び付いて。
……いつか俺にも、その真意を教えてくれるんだろうか。
そう思いながら、その小さな背中を追いかけた。
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作者名:慈雨 | 作成日時:2019年9月23日 16時