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「まあかっこつけたけどさ、」光輝は無断で向かいの席に座りながら苦笑する。
黒田「Aの体調不良に一番最初に気がつくのは、深田なんだよね」
白石「……そうなんだ、」
黒田「まあ俺も割と早めに気づくけど。一旦深田に確認すれば、『うん、俺もそう思ってた』ってのがいつも」
白石「そんな私、わかりやすい？」
黒田「いや？俺と深田が鋭いだけでしょ」
「Aの前で、他の男の話とかしたくなかったけど」。光輝の言葉に、顔がほんのり熱を持つ。その言葉の意味がわからないほど、私はもう幼くなくて。光輝から向けられるこういう気持ちを、私はずっと気づかないふりをしてきた。
黒田「どお？お粥は」
白石「優しい味でめっちゃ美味しいよ」
黒田「よかった」
白石「ほんと助かる」
光輝が私に向けてくれるこの極限まで優しい瞳が、他の女子には向けられないことを知ってる。
黒田「カイロも持ってきたんだよ。これブランケットの下に仕込んどいたらまじであったかいから」
白石「ありがとうね」
優しく優しく、頭を下げる撫でてくれる手から、愛おしさを隠しきれていないのも知ってる。
黒田「さっきまで寝てたなら眠くないか……。なんか映画とか見ない！？」
白石「見よ」
光輝が私のこと「好き」、なの、知ってる。
腹痛が再びひどくなる。
私にはわからない。
私が光輝に抱いているこの感情が、loveなのか、likeなのか。
映画を見始めながら、こっそり光輝の横顔を見つめる。
黒田「うわっ、うっわ」
白石「リアクションでか笑」
まあ、いいや。今はいい。
光輝がいつか、その思いを言葉で伝えてくれるまで、私は待っていよう。
映画が終わった頃、ふいに肩に重みが乗った。隣を見れば光輝が寝ていて、私の肩に頭を預けていて。
白石「普通逆でしょ」
やっぱり光輝の寝顔はいつ見ても愛おしい。ふと、この前私がAct ONEで体調不良だった時を思い出す。そうだ、あのときの仕返ししてやろ。
そっと前髪を横に流してあげて、おでこに顔を近づける。と、その時、「ん……」と声がした。慌てて離れれば、光輝の目がうっすら開いている。
黒田「え、いま、」
白石「なんも？」
黒田「きす、」
白石「しようとなんてしてないよ？」
光輝の寝ぼけ眼に、突然切ない色が差す。「勘違いしちゃうよ？」その言葉と同時に感じたのは、唇に重なる柔らかい感触だった。
✽✽✽✽✽✽✽
「周期を察している光輝に甘やかされる話」リクエストありがとうございます！
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柊つむぎ(プロフ) - ちぃさん» ご指摘ありがとうございます！大変重要なことを間違えてしまいお恥ずかしい限りです(-_-;)これからも気をつけさせていただきます！！ (2月10日 11時) (
レス) id: 49c4d3a056 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます!! すみません、深田竜生くんのお名前が竜星になっちゃってます… (2月9日 22時) (レス) id: 17246f2d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊つむぎ | 作成日時：2024年2月6日 18時
