▽ ページ18
何を言われるでもなく、ただ彼の早まっている鼓動を聞いているだけで落ち着いた。いつもだったらこんなことされる訳ない初めてのハグに、私もだんだん鼓動が早くなる。そんなこと考えられるくらいには、私も冷静になったかな。
白石「ありがとう」
織山「ん、」
温かさも香りも、全部離れていく。なんだかさみしくなって、「もう寝よ」と声をかけた。
織山「一緒に寝る？」
白石「、っ、は！？」
織山「戸惑いすぎ(笑)」
いたずらっぽく笑うおりに、やっぱりおりはおりだ、なんて安心する。いつもメンバーが泊まるときに使っている布団を引っ張り出して、「これに寝てください」とおりに見せた。
織山「おりはベッドで寝ていいよ〜、みたいなくだりはないわけ？」
白石「残念ながらないね」
織山「それでさ、『いやいいよ、Aが寝て。俺はソファとかで寝るからさ。』『いや、おりがベッドで寝て！そうじゃないと私寝ないよ！』『じゃあ一緒に寝よ？』までがワンセットでしょ」
白石「それ今までメンバーが泊まる度に繰り広げてきたからもうどうでもよくなった」
織山「普段誰が泊まんの？」
実は、おりが家に泊まるのは初めて。常連メンバーと言えば……。
白石「光輝、竜生、そた、檜山はよく来る」
織山「うっちー家近いし泊まる意味なくね？」
白石「家近いからよく家来てわざわざ泊まってくの」
織山「なんそれ」
何やら不満そうに視線を落とすおりに、「明日何時起き？」と問いかける。
織山「6時」
白石「なら一緒だ。起こしてあげるよ」
織山「いらん。逆に俺が起こしに行く」
白石「そう言って竜生に襲われかけたことあるんだよね」
織山「嘘だろ！？」
白石「『Aの寝顔が可愛くてつい(笑)』って本人は言ってた」
織山「まじあいつしばく」
白石「おりは襲わないと思うけど、万が一があるからね」
織山「襲わんて」
あの時のことを思い出して、笑みが零れた。竜生の香りに気がついて私が起きて、キス寸前で防いだんだよね(笑)
織山「まあいいや。もうおやすみ」
白石「おやすみ」
織山「……ちなみにさ、もし俺に襲われそうになったらちゃんと拒む？」
白石「……うん、一応」
織山「ん、ならいいけど」
白石「なんだよ！！」
織山「おやすみ」
そういえば、光輝にも同じこと言われたことあったな、なんて思い出す。
黒田『俺が今襲ったらちゃんと断れんの？』
白石『できるよ？』
そう言ったら、呆れたように笑われたっけ。『男の本気、くれぐれも気をつけとけよ』なんて言われちゃったなあ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊つむぎ(プロフ) - ちぃさん» ご指摘ありがとうございます！大変重要なことを間違えてしまいお恥ずかしい限りです(-_-;)これからも気をつけさせていただきます！！ (2月10日 11時) (
レス) id: 49c4d3a056 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます!! すみません、深田竜生くんのお名前が竜星になっちゃってます… (2月9日 22時) (レス) id: 17246f2d9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊つむぎ | 作成日時：2024年2月6日 18時
