◆77（葵視点） ページ4
寒さが目立つ秋の夜。
茶碗の中でつやつやと輝く新米。
その共に用意した食材が、営業後の飢えた妖達の胃袋に飲み込まれていく。
なめたけ、梅ひじきのふりかけ、レンコン入り肉味噌、大根の昆布酢漬け。
更に一品、脂ののった秋鮭の鮭フレークを追加し、自分もまた新米を手に席に着く。
「ああ、やっと私もご飯食べられる！」
先に食べているお涼や春日、暁は既に二杯目へ突入。
材料がないのでこれ以上付け合わせを出すことはできないけれど、夜食には十分よね。
それでも、作り置きとはいえご飯に合うように作っておいたお供が美味しい。
あ、やばい。どんどん白米食べちゃう…炭水化物を摂取してしまう…
そこへ
「おやおや、ここは賑やかだねぇ」
艶やかな声が玄関の方から響く。
声を聞いただけでわかるその人は、トレードマークの青い鬼火を入れた手提げ提灯を手に佇んでいた。
「Aさん！」
新米に集中していた手を止め、笑顔で駆け寄る。
「こんばんは、葵。ちょっとぶりだね」
「おかえりなさい！出張は？もういいの？？」
「ついさっき戻ったんだけど、明日にはまた別のところに経たないといけなくてねぇ」
ここ数日、Aさんは天神屋を空けていた。
灯守としての仕事が落ち着いている昨今、彼女は外回りの営業を中心にしている。
私が入れ違いで天神屋に来る前も、こんなふうに出張が多かったとか。
「なんだかサラリーマンみたいね」
「サラ…？
まぁ、そういうわけで夕飯をまだ摂ってなくてね。
ここへ来たら何かあるかと思って」
「それがねぇ、実は今日も満員で大したものが残ってなくて…
付け合せとお米だけならあるんだけど」
「付け合わせ？」
頭に？を浮かべ、興味を示したらしいAさんがカウンターを覗き込む。
米櫃と付け合せの入った小鉢や瓶が並んでいる。
他のみんなはAさんに各々おかえりなさいを言った後、再び食事を続けている。
どんだけ腹へりなのあんた達。
ちょっと、お涼なんか2杯目が終わろうとしてるじゃない。
「お供の食べ比べなんて逆に味だねぇ。
私もお米は大好きだから、ご一緒させておくれよ」
「ええ、勿論よ！」
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こんこんきつね(プロフ) - コメント失礼します！この作品好きすぎてめちゃめちゃ感激しました!!私は白夜が好きなのですが、もうほんとに幸せな気持ちで読んでいました！これからも更新楽しみにお待ちしています！ (9月11日 5時) (
レス) @page16 id: e681425de6 (このIDを非表示/違反報告)
そーめん(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントいただきありがとうございます！私の好みの問題でお相手はこっそり用意してあるのですが、一人を除いてみんなに慕われているお姉さんという立ち位置は崩さずに今後も進めていきたいと思っております。体調にもお気遣いいただきありがとうございます(*ﾉωﾉ) (7月18日 15時) (レス) id: 037a4c99bb (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年1月2日 14時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そーめん | 作成日時：2020年12月31日 3時
