◆87青行燈の恩人（過去編） ページ14
『ああ、いたいた』
しばらく墓地を見回っていたのっぺらぼう(青田坊というのだそうだ)のあとをついていくと、彼は墓地の隅で何かを見つけた。
鬼火とも違う、薄っすらと弱々しく光る球体。
「それは？」
『あやかしの"名残り"とでもいうのか』
「なごり…？」
あやかしが人の世で死んでしまうと、自分の形を保てなくて消えてしまう者が多い。
大抵はそれで成仏または消滅したことになる。
けれど。
もし想いを残している場合はその名残りだけが残り、いずれ負のたまり場になる。
放置しすぎると、それは元のあやかしの意思と反し、瘴気を纏い人にもあやかしにも害となる。
最悪、土地に根付いて土地自体が忌むべき物…"忌み地"となってしまうこともあるのだと。
『そうなる前に、供養するのだ』
言って、その光球に近づく。
〈…ィ……カエリ…タイ〉
光から、声が聞こえた。
名残りという割には、はっきりと。
『お前はどこから来た』
〈カクリヨ…オレノ……ナカマガイル〉
『こちらで死んで、帰れなくなったのか。いいだろう、帰ろう』
〈アァ…カエレルノカ……オレノフルサト〉
『君の故郷までは送ってあげられない。お前はもう死んだのだ。
だから…
かくりよの霊園においで。お前の仲間で眠っている者もいるだろう。そこで、一緒に眠りなさい』
〈カマワ…ナイ…ナツカシイ……ココデ…ヒトリネムルノハ…サビシイ〉
『なら、私の灯りについておいで』
青田坊の持っていた提灯に青い火が灯り、さっきまで話していた光が、誘われるようにそれに随行し始める。
よく見れば、彼の周りには似たような光が他にも集まって、列となっている。
あれらも、かくりよというところへ行くのだろうか…
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こんこんきつね(プロフ) - コメント失礼します！この作品好きすぎてめちゃめちゃ感激しました!!私は白夜が好きなのですが、もうほんとに幸せな気持ちで読んでいました！これからも更新楽しみにお待ちしています！ (9月11日 5時) (
レス) @page16 id: e681425de6 (このIDを非表示/違反報告)
そーめん(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントいただきありがとうございます！私の好みの問題でお相手はこっそり用意してあるのですが、一人を除いてみんなに慕われているお姉さんという立ち位置は崩さずに今後も進めていきたいと思っております。体調にもお気遣いいただきありがとうございます(*ﾉωﾉ) (7月18日 15時) (レス) id: 037a4c99bb (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年1月2日 14時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そーめん | 作成日時：2020年12月31日 3時
