◆31 （葵視点） ページ32
(葵視点)
「はい、豚汁お待たせしました！」
厚手の丼に具材と煮汁をたっぷり注いだ豚汁をカウンターに乗せる。
豚バラの薄切り、里芋、人参、大根、ごぼう、こんにゃく…
王道の食材をたっぷり入れて、だしと共に甘いお味噌で煮込んだ、
妖好みの味付けに仕上げてある。
「まぁ！美味しそうだねぇ」
待ってましたと言わんばかりにAさんがうきうきと体を揺らす。
そのまま食べるのは難しそうなので、側へ行ってスプーンで差し出す。
ぱくり。
なんの迷いもなく、Aさんが豪快にかぶりつく。
ゆっくりと咀嚼している間だけ、その炎にちょっとだけ触れてみる。
プニプニすべすべとした感触は、熱くも冷たくもないゴムボールみたいだ。
炎の妖なのに、なんだか面白い。
「ん〜っ……美味しい！」
「ふふ。よかった！」
にんまりとした笑顔で私にもっととせがむAさん。うん、あざとい。
せがまれるままに、続いて二口、三口…。
こうしていると少し前にいた折尾屋で、ねねの世話をした日を思い出す。
ちょうど、こんなふうにスプーンを使って、彼女にクラムチャウダーを飲ませたのよね…。
ついこの間のことなのに、懐かしい。
そうやって私が物思いにふけっていると、目の前のAさんが、
そっと私と器のあるカウンターから離れた。
どことなく、その体全体が光っている。
あぁ、この感じは知っている。
今まで出会ってきた妖達と同じで、Aさんにも人の形があるのだ。
ほんのちょっと触れただけなのに、あのすべすべの感触がもう終わってしまうのは、ちょっと寂しい。
夕がおの店内を隅々まで照らすほどの青い輝きに、私も銀次さんも思わず目をつぶった。
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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レモン(プロフ) - そーめんさん» これからも楽しみにしてます (2018年12月29日 22時) (
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そーめん(プロフ) - レモンさん» コメントで教えていただきありがとうございます！全然気づけてなかったので私もビビりました；ありがとうございました！今後もがんばります！ (2018年12月29日 22時) (レス) id: 6f68bed6a4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - とっても面白いです！ (2018年12月29日 20時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして一話で中井とありますが中居ではないでしょうか？ (2018年12月29日 20時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
そーめん(プロフ) - 碧海さん» コメントありがとうございます！キャラの口調は私も大事にしている点のひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです！！これからもコツコツがんばります！！ (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f68bed6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そーめん | 作成日時：2018年10月17日 0時
