◆27 （葵視点） ページ28
(葵視点)
「私はこの天神屋の灯守を務めている、Aと申します。
以後、お見知りおきを」
提灯から出てきたAさんという鬼火は、私の前でそう丁寧に挨拶した。
ぺこりと鬼火のままで上品に揺れる所作に、何故だか圧倒される。
もしかして、私が知らないだけで天神屋の重鎮の大妖怪だったりするのかしら…？
「つ、津場木葵です。宜しくおねがいします！」
「ふふっ、畏まらなくても大丈夫よ？
なんせ私は今こんな姿だしねぇ。
それに、この姿とはいえ
可愛いと言ってもらったのは随分と久しぶりだったわぁ」
そう言って、Aさんは再びにこりと微笑む。
独特の間延びした、大人の余裕がある喋り方に、どこか安心感すら覚える。
私は肩の力が抜けたところで、ふと挨拶にあった役職が気になった。
「そういえば…あかりもり、って？」
「彼女はこの天神屋の全ての照明設備を一手に管理できる妖でね。
今回の停電のように、復旧に時間がかかる時には
宿全体の灯を維持するのが仕事なんだ」
側にいた大旦那様が、そう説明してくれた。
「へぇ。宿全体って、この離れも？」
「あぁ。勿論。
しかし、今回はどうも事情が異なるようだね？」
「あ、えぇっと…」
別に怒っているわけじゃないのに、大旦那様に向かってもごもごと渋るAさん。
小さな体のせいか、何だかちょっと可哀想。
そしてやっぱり可愛い。
「それについては私から説明しよう」
Aさんがさっきまで入っていた提灯をカウンターの隅に置き、
事の経緯については、白夜さんが説明をしてくれた。
その内容の凄まじさに、私は後半で度肝を抜かれることになる。
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモン(プロフ) - そーめんさん» これからも楽しみにしてます (2018年12月29日 22時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
そーめん(プロフ) - レモンさん» コメントで教えていただきありがとうございます！全然気づけてなかったので私もビビりました；ありがとうございました！今後もがんばります！ (2018年12月29日 22時) (レス) id: 6f68bed6a4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - とっても面白いです！ (2018年12月29日 20時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして一話で中井とありますが中居ではないでしょうか？ (2018年12月29日 20時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
そーめん(プロフ) - 碧海さん» コメントありがとうございます！キャラの口調は私も大事にしている点のひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです！！これからもコツコツがんばります！！ (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f68bed6a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：そーめん | 作成日時：2018年10月17日 0時
