ストーリー１９ ページ19
あなたside
櫻井｢ほんとに、出来ればでいいんだけど…｣
A｢大丈夫ですよ、
私まだ元気ならあります｣
櫻井専務は少しためらいがちになりながら喋る。
櫻井｢こっちに戻ったら、
そのまま手越のところ行ってやってくれない？｣
A｢…はい？｣
櫻井｢いやあの、手越の家｣
何言ってのこの上司…
年上の上司…
しかもオンナを喰うことで有名な、
あの手越さんの家に１人で行けって…
A｢え、本気で言ってます？｣
櫻井｢ごめんごめん(笑)
でもほんとに本気なのよ｣
なんで、手越さんの家に…？
櫻井｢実は、手越が会社休んでるんだ｣
A｢そうなんですか？｣
櫻井｢何年も前にも、こーゆーことがあって｣
櫻井専務が言うには、
手越さんは体が弱くて今までに何度も熱を出して
会社を休むことがあったらしい。
A｢そういえば…｣
確かに研修の時にも、
１日だけ手越さんがいない時があった。
でも次の日の朝にはいつも通り会社にきて
明るい笑顔を私に向けていたから、
てっきり前日は
女の人と遊んでいたんだと思っていた。
櫻井｢今まではそういう時は
必ず俺が手越の家に行って
その日の職務報告してたんだけどね。
今日はそれが出来ないから、
もしAがいいって言うなら見舞いにだけでも…｣
A｢…はい、わかりました｣
さすがにそれは手越さんが心配だよ…
櫻井｢ほんと？！ありがと…
じゃあ地図は業務用メールで送っとくね｣
A｢了解です｣
さすがに今日のことがあってから、
増田と２人で仕事をするのはしんどい。
櫻井専務の予定が変わってくれてよかった…
その日私は増田がいない間にホテルに戻り、
増田の部屋に置き手紙を置いてから
帰りのバスに乗り込んだ。
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作者名：ムッチ | 作成日時：2018年3月14日 0時
