別れと出会い ページ2
今より、十一年前──
『絢都!!董香!!早く逃げるよ!!もう、そこまで来てるから！』
絢「もう、歩けないよ……。｣
『董香、絢都おんぶして逃げて!!私が引きつけるから。』
董「でも、お姉ちゃんが！｣
『私は、いいから！それに董香、怪我してるから無理させられないし』
董「……分かった！先に逃げてるね!!｣
『見つからないでよ！』
捜1「居たぞ！“骸拾い”の子供の一人だ！｣
『お父さんの事、そんな風に言わないでよ！』
ﾋﾞｷｯ ズズｯズ
捜2「な、赫子！話と違うぞ！｣
捜1「しかも、二つ！｣
ズドドド
『ハアハア、赫子だせた……。これで、董香達が逃げれる。』
??「そこに、おるのは誰じゃ？｣
『!!?喰種捜査官？｣
??「喰種捜査官？私は、ちと依頼でここに来とっただけじゃ、安心するとよい。別に取って食おうなんぞ、思うておらんぞ？｣
『にん、げん？』
??「私の名は、尾崎紅葉。そちの名は？｣
『霧島A』
尾「Aか、良き名じゃのう。父と母どちらが名付けたのじゃ？｣
『お母さんの方と聞きました。ﾊｧﾊｧ』
尾「そうかそうか。二つ程質問しても良いか？｣
『ﾋﾞｸｯ ど、どうぞ』
尾「では、先ず一つ目。そちは、世間的に言う“喰種”とか言う奴なのかえ？先刻、別れた妹達もそうかえ？｣
『………………はい。どうぞ、喰種捜査官に引き渡すなり何なりしてください。ただ、妹達のことは誰にも、言わないであげてください。まだ、8歳と7歳なんです。』
尾「？何を言うとるのじゃ？先刻から言ってる通り私はそちらには何もせぬ、取って食おうなんぞ、思うておらんと言うとるじゃろう？｣
『そう、ですか……。ありがとうございま…ドサッ』
尾「酷い安心感で、寝てしもうた様じゃのう。｣
太「その子をどうするつもりですか？｣
尾「ポートマフィアに連れて帰る。見たところ、親も身よりも無しと言った所じゃろうからのう。｣
太「彼女は恐らく、異能を持ってないと思いますが？｣
尾「それでも、戦力にはなるじゃろう。それに、放っておけんのじゃ｣
太「そうですか……。首領には、なんて？｣
尾「あやつは、戦争が好きじゃからのう。戦力になれば何も言わんじゃろう。｣
太「そうですね。ではそろそろ戻りましょう。｣
尾「そうじゃのう。では、車の準備をしてもらおうかのう？｣
太「もう、手配をしております。そろそろ到着する予定です｣
尾「相変わらず、用意がえいのう。｣
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作者名：中原アリス | 作成日時：2017年5月28日 18時
