今日は楽しもう:文スト ページ2
時間が経つにつれ、どんどん苦しくなっていく
何回も体験した事はあるけれど
今日のは何時もと違った
変な夢を見て目を覚ますとと自分は変わらず布団の中にいた
さっきの夢は何だったんだろう
ま、いいかと布団から出ると目に飛び込んで来るのは部屋中に散らばった無数の空になった蟹缶とお酒の瓶
何時も通りの風景。でも何時もと違うのは仕事着のままで寝てしまっていた事だけかな
私、太宰治は立派な探偵社員。何時も国木田君に怒られてるけど気にしない気にしない!私はやれば出来る子だから!
今日は久々の非番。何時も外に出てるけど今日は非番だから国木田君に怒られずに済む!つまり、誰にも邪魔されない!そして何時もより身体が軽い気がするし!
今日は楽しもう!!
私は色々な所に行った
中華街、遊園地、ドーム球場等…
とにかく非番って最高!!
でも何か大切な事を忘れている気がする…でも忘れるくらいならそんな大した事じゃないでしょ!
私はまた足を動かした
砂色のコートを風にたなびかせやって来たのはある丘の上
「…やあ、織田作」
此処は4年前、この世から姿を消した私の友人が眠る丘
S.ODAと書かれた墓石の上に座る
「織田作、久しぶりだね」
誰もいない空の上に話しかける
_太宰、今日はなんで此処に来たんだ?
私はこの世にはいない筈の友人の声が聞こえ、吃驚した
「…なんでだろうね」
友人の返答を待っていたが声は聞こえなかった
やっぱり気の所為か。いない筈の友人の声なんて聞こえるわけがない
突如、さあっと風が吹いた
木々が揺れ、共鳴する
なんでだろうね。もう直ぐで君に会える気がするよ
日も暮れてきた頃、私は何時もの川に来ていた
入水、今日こそは成功するかな
私は早速川の中に入ろうとした
足を水面につけた筈なのに水は全然冷たくなかった
何時も此処でやっているから身体が水の冷たさに慣れてしまったのかな
そんな疑問はさて置き、どんどん私は水の中に侵入して行き、服の色も水に濡れて濃くなる
そしてとうとう私の身体は完全に沈んだ
何時もは苦しい筈なのに今日は不思議と呼吸が楽だ
川の底が見えてくると砂色の何かが見えた
私は身体が軽く感じた事や水が冷たくなかった事の意味を漸く理解した
「今から会いに行くね、織田作」
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作者名:カイ@白米愛好家 | 作成日時:2019年6月19日 15時