94話目の段 ページ47
姫「あ、､なんで…なんで…」
『姫華様…大丈夫ですか?」
姫「大丈夫な訳ないでしょ！本当あんた嫌いよ…どうしてあんたばかり皆に好かれるのよ…｡姫はただ愛されたいだけなの!姫は特別なの!あんたさえいなかったら皆も私を愛してくれるの!なのになんであんたが愛されたり気に入れられたりするのよ…」
第三協栄丸「Aちゃんがどうして愛されたり好かれたりするのかわかるか？｣
姫「…何よ｡姫とAは何が違うのよ｡だってこいつは邪魔なだけだし、生きていても役に立たないだけじゃない！」
【わぁ…凄く傷つくな…】
仙蔵「Aは周りの人をいつも気遣って自分より人の心配ばかりして私達が無理するなって言っても無理ばかりして､だけどそれでも笑ってて優しくてそんな所にみんな惹かれてるんだ｡守りたいって思うんだ。」
文次郎「末崎さんみたいに他人の気持ち考えないでただ愛されたい､自分だけを見てほしいって考えの人を他人が愛すると思うか?人に愛されたいならまず自分が人に優しくしないとな｡末崎さんが変わらないといつまで経ってもそのままだぞ」
姫「……でも姫は何もしないでいいってママもパパも言ってたもん…」
義丸「母親や父親は自分の子供が大事だから甘やかしたいって思いますよね。だけど他人から見たらそう思いませんよ。』
【…うちの両親は違いましたけどね。】
姫「…わかんないよ！姫はお姫様だもん!お姫様は愛されないといけないもん」
第三協栄丸「お姫様だって努力はするもんだ。そんな甘い考えで生きてるお姫様は末崎さんだけだぞ｡」
姫「…っ…もういい!みんななんか大嫌い!」
そう言って姫華様は布団に潜り込んだ。
部屋を出てから皆と話す｡
『……あんなに厳しく言わなくても良かったんじゃ…』
仙蔵「でもあんだけ言わないと末崎は分からないだろ」
第三協栄丸「昼渡してくれた手紙で学園長先生に頼まれたんだ。末崎さんに喝を入れてやってくれと｡」
『そうなんですか?でも何故兵庫水軍さんに…?』
第三協栄丸「海の男は誰よりも人に優しく､自分に厳しい考えの人がたくさんだからな｡」
『…なるほど?』
義丸「所でAさんあの部屋に戻りづらいでしょう?俺達の部屋に来ますか？」
『え、？』
義丸「ふふ冗談ですよ｡別の空き部屋を用意したのでそちらへどうぞ」
部屋に案内してもらい翌朝起きると手紙を残して姫華様は先に帰っていた｡
【ま、顔合わせずらいよね…｡】
《ごめんなさい｡先に帰ります｡少し考えたいです。》
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作者名：歌弥乃 | 作成日時：2024年1月2日 14時
