叶わない恋：19 ページ19
「とりあえず、岩泉。明日は登校禁止な。」
「はい」
「岩泉先生は、いつも通り授業を。ただ、実習生の評価が関わっていることを忘れずにね。」
「申し訳ありませんでした」
「及川先生もいつも通りね。今回の件に関しては、あまり言及しないように。」
「「 申し訳ありませんでした 」」
「…すみませんでした」
.
.
「うっし、A帰るぞ」
教務室を出て、暗い空気の中はじめは私にそう言った。
「車に乗る？」
「いや、こいつとちょっと話したいから歩いて帰るわ。明日朝よろしくな。」
「わかった。じゃあね岩ちゃんにAちゃん」
及川さんは、駐車場に向かった。
「じゃあ、行くか」
私たちは、歩き始めた。
.
.
いつものように、喋れない。
あの場で、告白したも同然のようなことを言ってしまって、
普通通りに接することなんて、できなかった。
それは、兄も同じなのか、
いつにも増して口数が少なかった。
.
そして、お互い一言も発さないまま家の前に着く。
.
.
家に帰れば、兄と妹。
家にも連絡が入っているだろうから、
きっと母は、怒って兄を一人暮らしさせるかもしれない。
.
.
そう思ったら、体が勝手に動いていた。
.
.
.
「っはじめ」
兄の背中を呼び止める。
「…どうした？」
「私、ずっとはじめのことが好きだった。
.
.
小さい頃からずっと。……今も好きなのに」
言いかけたところで、はじめに口を塞がれた。
「…ごめんな。本当にごめん。」
泣きそうな顔をした兄は、震える声でそう言った。
.
.
「………お願い、今だけ…
.
……もう、こんなこと言わないから。
.
.
________忘れられないくらい、強く抱き締めて。」
.
.
少し目を見開いた兄は、私の意図を汲んでくれたのか。
.
.
_________________力強く抱き締めてくれた。
.
.
私たちは、もう兄と妹には戻れない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Sumeragi Aoi(プロフ) - 遊さん» コメント有難うございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです( ; ; ) まさか遊さんに言っていただけるとは思わなくて感動しています…遊さんの作品好き好きて全部お気に入りしていました！本当に有難うございます！、！ (2018年12月5日 19時) (
レス) id: 78897142b6 (このIDを非表示/違反報告)
遊(プロフ) - すごくストーリー好きです〜！お気に入りにさせていただきました（；＿；）更新頑張ってください！ (2018年12月2日 9時) (レス) id: 4d2f1f5867 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kayako8070 | 作成日時：2018年9月1日 19時
