叶わない恋：16 ページ16
目を覚ますと、見慣れない天井が、
私の視界に入ってきた。
起きると、カーテンに閉ざされていて、
保健室なのか、と理解する。
手元のスマホで時間を確認すると、
とっくに放課後の時間で、四時を過ぎていた。
ベットを下りて、カーテンを開けると、
人工の明かりが、目を刺激する。
.
保健室の先生にありがとうございました、と、
お礼を言って、その場を後にする。
.
記憶が断片的になっているけれど、
覚えていることは、
クラス中に私の中にある感情が知られてしまったこと、
そして、好きな人のぬくもりだけだった。
.
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「失礼します」
保健医に、帰る時担任の先生のところに行ってと言われたので、
教務室のドアを叩いて、開けると、
三学年担任のスペースには、
学年主任と副主任、そして私の担任と、
.
実習生二人の姿があった。
.
その場に居た先生方は、私の方を見てから二人に何か言った後、
岩泉、と学年主任である佐々木先生に呼ばれた。
.
.
兄と及川さんの姿を見た時、
後には引けぬことをしてしまったと、
激しい罪悪感に見舞われた。
自分が招いたことに、二人を巻き込んでしまった。
私が、あの時アイツを無視していればこんなことにはならなかった。
.
兄は、仮にも教育実習生という立場なのに。
.
そんなことを考えながら、
佐々木先生のところまで行く道のりは、酷く長く感じられた。
.
そんな様子を見かねてか、
「体調は大丈夫か」と、
少し笑って問いかけてくれた兄の優しさに、一層深く罪悪感が襲ってきた。
.
「岩泉先生と、岩泉は兄弟だったんだな〜」
佐々木先生は、その場にそぐわない呑気な声を零した。
そして、急に真剣な表情になって私に問うた。
「岩泉、今から言われることわかる？」
「本当にすみませんでした。」
「俺はさ、別に謝ってほしいわけじゃないんだよ」
そんなこと言う佐々木先生を前に、
私はただひたすら、頭を下げることしかできなかった。
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Sumeragi Aoi(プロフ) - 遊さん» コメント有難うございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです( ; ; ) まさか遊さんに言っていただけるとは思わなくて感動しています…遊さんの作品好き好きて全部お気に入りしていました！本当に有難うございます！、！ (2018年12月5日 19時) (
レス) id: 78897142b6 (このIDを非表示/違反報告)
遊(プロフ) - すごくストーリー好きです〜！お気に入りにさせていただきました（；＿；）更新頑張ってください！ (2018年12月2日 9時) (レス) id: 4d2f1f5867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kayako8070 | 作成日時：2018年9月1日 19時
