お姉ちゃん。3【名探偵コナン】

ポアロ。 ページ5

慧に今夜一緒にポアロに行こうって誘ったが、出掛けるからと言われパスされため、1人で行くことにした。

中に入ると、既に何人か人がいて、私は1人だったのでカウンター席に向かう。

カウンター席には既に女の子が1人座っていた。
まだ幼い顔立ちから中学生ぐらいだろうか？
時刻は7時を回っている。
周りに家族や友達らしき姿もない。
普通こんな時間に子供が1人で晩御飯を食べに喫茶店に訪れたりするだろうか？

(変なの……｡)

おかしいとは思ったが、特に声かける気もないので、梓さんに軽く声をかけてからメニューを開く。

隣に座っていた女の子は、もう食べ終わったらしく、お金を払って店を出ようとする。

その時、ポアロにまた新しいお客さんが入ってきて、女の子とぶつかりそうになる。
その拍子に、女の子の私物と思われるパスケースが落ちる。

(あっ……!!)
「夏音(なつね)！今日はごめんね!!」
さあ、帰ろうかと言って女の子の手を繋ぐ全身ブランド服ずくめのお客さん。
多分"ナツネ"ちゃんの母親だろう。

『えっ、ちょっと待ってください!!』

私は慌てて席を立ち、パスケースを拾ってその女の子に渡す。

『落としましたよ。気をつけてね。』
「あらやだ!!夏音ったら、定期券って高いんだから気をつけてよね!!」
二人揃って気をつけろと注意され、ごめんなさいと謝る女の子。
続いてそのナツネちゃんのお母さんにお礼を言われ、そのまま2人は帰っていってしまった。

(なんか、あの母親……。
服も派手だし、香水臭いし、色々キツそうだな。)

心の中で、あの女の子に頑張れと勝手にエールを送り、私は再びカウンター席に戻った。

旅行。→←〃

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