お姉ちゃん。【名探偵コナン】

グッジョブ。 ページ27

「はあ？じゃあアメリカに来てもねーちゃんに会えないのかよ!!」
『いや、予定があるのは最初のだけで、なるべく会えるように調節するからさ。』
「ったくよ…。蘭もねーちゃんとゴールデンアップル見れるの楽しみにしてたぞ。」
『あー、ごめんね蘭ちゃん。新一代わりに謝っといて。私ミュージカル興味無いし!!』
「俺だって興味無いんだけど…。」

電話越しでもわかる弟の不機嫌な声に適当に相打ちしながら、心の中でグッジョブと親指を立てた。

私達の考えた計画はこう。
まず、母がミュージカル「ゴールデンアップル」に新一達と行く話を持ちかける前に、私達は公演の日にちを調べ、あらかじめ予定を入れておくことにした。

──この日程で数日間、大学のプレゼンの用意とかするから友達の家に泊まるね。

その後、母がゴールデンアップルのチケットを手に入れるも、私は元々予定が入っていたため、誘われることは無い。
その代わり、新一達が日本に帰る前にきちんと顔を合わせることを条件に、この話は成立した。

それにしても。
電話を切る最後の最後まで、新一は本当に不機嫌なままだったなと思い返す。
遠く離れて暮らしても、シスコンは健在なんだな。まあそうなるように接してきたのは私だけど。

新一が中学生になった時、姉離れをしようとしない弟に不安を感じたりしたが、ここまでくると最早開き直れるレベルだろう。

「計画は？上手くいった？」
『行った行った。ありがとね、慧。』

泊まりに行く友達の家がこいつの家だなんて知ったら、新一怒るかな？
いや、新一だけではなくてお父さんやお母さんも少し怒るかもしれないな。

なんて考える。
別にやましいことなんてないけどね。

『部屋の鍵かけるし。』
「そんなことしなくたって一花なんかに何もしないよ。」
『なんかってなんだ。なんかって。』

フラグ回収。→←そういえば。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す