お姉ちゃん。【名探偵コナン】

何故か。 ページ3

好奇心と絶望を同時に味わったのは、生まれてから4年たった時だった。
当時の私には、前世の記憶なんてものはなく、自分がトリッパーという自覚なんてさらさらなかった。

全て思い出したのは、母のお腹が大きくなった頃。
もうすぐお姉ちゃんになるのよー、と大きくなったお腹を撫でてる母に、私は確か、弟か妹、どちらが生まれるか尋ねた。
その問に答えたのは、母ではなく父だった。
男の子で、名前はもう決めてある。

新一だ。

そう。思い出したのはその言葉を聞いた時。

電流みたいなのが体にビュッって走ったような感覚に陥った。
前世で読んだコナンのマンガの内容、前世の私の名前や境遇、死因まで。
思い出したくもないこと、全てが頭の中に映像として流れた。

名探偵コナンの世界に迷い込んだことを自覚し、ちょっとした好奇心が湧いた一方、
17年後に起こる面倒事の数々を想像してゾッとした。

そして、心に誓った。
これから先、何があっても全てスルーしてやろうと。

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