喧嘩。 ページ15
『確かにさ、アメリカに行かなくたって学べることはたくさんあるよ。でもさ、新一は私がいなくなるのが嫌なだけなんでしょ?』
いきなりの私の発言に少しビックリしている弟を横目に、私は続ける。
『でもさ、アメリカ行くって言っても、ただの短期留学だし…。そこまで重いものじゃないよ。』
宥めるように言う私に対して、新一は少しイライラしているようだった。
今思えば、そこでやめとけば良かったかもしれない。
「なんだよそれ…。ねーちゃんは俺がいなくていいのかよ!!」
『別にそういう意味で言っているわけじゃないけど…。そろそろ私も弟離れしないとなって思って。』
勿論、新一も。と付け加えた瞬間、急にバンッと大きな音がした。
はっと思い隣を見ると、新一がテーブルを叩い立ち上がったところだった。
ヤバイって思ったのも束の間、目が合って、新一の顔を見た時、凄く怒っているのが伝わってきた。
もういい、と一言残して出ていった新一の後ろ姿を見ながら、しばらく呆然としていた。
――――
有希子「あれー?新ちゃん全然帰ってこないなー。」
夕飯時。いつもの時間になってもなかなか帰ってこない新一を心配している母に、私はいつもみたいに落ち着いてに接していられるほどの余裕はなかった。
「一花ちゃん、新一がどこにいるか知らなーい?」
『…別に知らないけど。』
思ったより声が低くなってるのがわかった。
異変を察知した両親が、物珍しそうに私を見る。
優作「どうした、一花?新一と喧嘩でもしたのか。」
少しの間の後、コクっと頷いた私を見て、2人は意外そうな顔をする。
有希子「珍しいわね、2人が喧嘩するなんて。いつも仲いいのに。」
…珍しいっていうか初めてなんだが。
寧ろ今までの私達の方が異常だったのかもしれない。
私は新一を怒らせないように今まで気を使って来たし、新一も新一で私のことが好きだったから、お互い相手に不満を感じることなんてなかった。
弟と喧嘩なんて初めてで、私は仲直りの術もわからないまま、自分に対してのイライラを募らせていた。
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りんご - やっばり、慧くんは相馬たかしをイメージしていたのですね!! (2017年4月17日 0時) (レス) id: f8e55a06ed (このIDを非表示/違反報告)
カヤちゃん - ハルさん» いえいえ(*^^*) (2017年2月16日 20時) (レス) id: 75dc59c505 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - そうですか。勘違いしてすみませんでした (2017年2月16日 17時) (レス) id: 87f773fa19 (このIDを非表示/違反報告)
カヤちゃん - ハルさん» 私が作品を訂正するのは誤字脱字があった時や文脈が可笑しかった時なので多分勘違いです^^; (2017年2月16日 15時) (レス) id: 75dc59c505 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 以前読んだ時は慧くんはベルモットの息子って言う設定で組織の何らかの事件に一花ちゃんは巻き込まれる。みたいな展開だった記憶があるんですが… (2017年2月16日 8時) (レス) id: 87f773fa19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カヤちゃん | 作成日時:2017年1月31日 11時