小変化。 ページ11
太刀川side
「だけど、太刀川さんがこういうとこ行くなんて珍し」
「お前なぁ」
失礼なことを吐いたそいつは空になった皿たちを重ねていく。
デカイとこだから食べれる場所はたくさんあって、適当に人が込みすぎていないレストランへとやってきた。
「お手洗い行ってくる」
「おう」
そう言って席を静かに立ち店の奥にへと行くAをお冷やを飲みながら眺める。
それからポケットに入ってるスマホを手にし耳にあてる。
『もしもし？』
「おぉ出水」
『あれ、太刀川さん今デートでしょ？』
電話の向こうの出水は俺の声を聞くなりそう訊ねてきた。
「今飯食ったとこでよ。Aはお手洗いとか言って今いねぇ」
『お手洗い？あー』
「なんだ？」
一人勝手に納得してる出水に疑問を持つ。店員と周りのやつらの声が電話の妨害をする。
『それって化粧直しでしょ』
「？へぇー？」
『あーもう。戻ってきたあいつちゃんと見れば分かりますよ』
別にあいつはそんなことしなくたって充分なのに。
だけど、いつもより大人感が出ているような。月見に感謝しねぇとな。
すると店内の奥からこちらへ戻ってくるAの姿が。
「あ、戻ってきた」
『それじゃしくじらないよう気をつけて』
出水もまた失礼なことを言い残して、電話を切った。
「あれ電話？誰から？」
椅子を引いて向かいに座るAはそう訊いてきた。
言われた通りそいつの顔を見てみれば、さっきより綺麗になった感じが。
唇はなにかつけてるのか艶があって少し色がある。
「出水だよ」
ガラスから見える店の外は正午をまたいだからか人がさっきより増えている。
めんどくさ気に顔をしかめて席を立つ。
「そろそろ行こうぜ」
「えー今座ったばっかなのに」
すると、渋々立ったAが少しよろける。
「おい、大丈夫か？」
「大丈夫大丈夫」
笑って見せるそいつは一人レジに向かっていく。
ふと下に視線をやった。
「……あいつ」
ほんと気遣いすぎだし、強がりなやつだ。
◇
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柳スウ - 太刀川さんの小さな気遣いカッコいい。 (2016年7月13日 16時) (
レス) id: 4dc969e182 (このIDを非表示/違反報告)
日菜(プロフ) - 前まで出水くんが一番好きだったのにこれを読んでから太刀川さんが好きになった……凄いいい話…･゜･(｡´ﾉω･`)。ｳｳｩｩ (2016年5月3日 20時) (レス) id: 65293e9234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：§KAYA§ | 作成日時：2016年5月3日 19時
