性格。 ページ9
出水side
「お前友達いんの？」
一口飲んだペットボトルの蓋を閉めて自身の横に置き、両手をうしろについて空を仰ぐ。
真っ青な空に、遠くに入道雲が見える。蝉の鳴き声がうるさくて頭がぼーっとする。
「なに、いきなり」
「お前っていっつもクラスメートからの誘い断ってるからさ」
それを聞いて「あー」と声を上げてさっきの教室でのやり取りを思い出す隣の如月。
「友達ねー…たまにいなくていいなぁって思うんだよね」
「いじめられてもしらねぇぞ？」
「そんときは出水が助けてくれるでしょ」と他人事のように言うそいつは俺と同じように空を見上げる。
「正直さ、女子ってめんどくさいと思う」
ちょっと強めの風が吹いた。冷たくて気持ちい、というわけでもないが多少は涼しく感じる。
「いっつも何人かで行動してさ。
ほら、トイレとか絶対誰か誘ってたりするじゃん」
そんな例え話を出され「あー、たしかにな」と共感する。女子ってなんでトイレごときで一緒に行くんだろうなーって、見てて思うときがあった。
「それに比べて男子って楽じゃん」
「は？どの辺が？」
「んー…例えばさ、女子って陰で愚痴ったりするけど男子は真正面からズバッと言ってくれるじゃん」
「デリカシーがないだけかもしれないけどさ」って小さく笑うそいつに「やかましい」とつられて俺も頬が緩む。
「たぶん、この学校での友達って出水や米屋、三輪ぐらいかな」
そりゃ「ボーダー」という共通点があるわけだから。俺もそれがあるから米屋や三輪とそれなりに関わってる。
もし「ボーダー」という肩書が無かったら「そういやこんなヤツいたな」ぐらいで廊下ですれ違ってたかもしれない。
「お前ってさ、サバサバしてんよな」
「え？」
キョトンとした顔で見てくるそいつはほんとに自覚がないんだと分からせてくれる。
蝉の鳴き声が止んで、風の吹く音だけが屋上に響く。
「女子にしちゃー案外珍しいと思う。俺、お前みたいなやつ結構好き」
シャツをパタパタと仰いで風を通す。首筋に汗が伝ってるのを感じる。そりゃ真夏にこんな屋上にいたら汗もかくわ。
「なにそれ」
ぷっと吹いて笑う如月は「ありがと」って短く返して右手で風を仰ぐ。
「なあお前ってさ太刀川さんのこと実際どう思ってんの？」
「またいきなり…なんなのさ」
今度は半ば呆れたように、そして面倒くさそうにため息をつく如月。
別のとこからまた蝉が鳴き始めた。
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零(プロフ) - 太刀川さん素直で大好きすぎる (2016年4月10日 1時) (
レス) id: 4463289b78 (このIDを非表示/違反報告)
いずみんLOVE - 出水が太刀川さんより男前だ・・・。 (2016年4月2日 15時) (レス) id: 61123b8b09 (このIDを非表示/違反報告)
soyon(プロフ) - 新作面白いです。風間さんの話とはまた違う感じが良いですね!頑張ってください！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 07f2e5561f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：§KAYA§ | 作成日時：2016年3月21日 1時
