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「A、起きて」


名前を呼ばれ肩を叩かれ目を開ける。
開けたのにまだ暗い。


「あーーーー!まだ取らないで!」


アイマスクに手を掛けるとジミンの声が慌てた。
そこで自分の置かれてる状況を思い出した。

ジミンと高速に乗ってアイマスクをする事になって、何も見えないなら目を閉じてても同じだと目を瞑ったら車の揺れが心地良くて


「…私、寝てました?」


認めたくない可能性がある事を恐る恐る口にすると、望んでない'うん'という肯定の声が返ってきた。


「寝てたよ、寝言まで言って」


「なんて…言ってました…?」


「ジミンさんかっこいいって」


「…ジミンさんって運転しながら夢見れるんですか?」


'見てないし'とちょっといじけた様なジミンの声がした。

寝てた事自体失態だと思ったのに、寝言なんて言われて更に身構えてみれば悪質な冗談だ。


視界が遮られている事で、神経が耳に集中している。
いつの間にか車のエンジンは止まっていて、右側からジミンの声が聞こえているし外の音も聞こえる。


「このまま降りるんですか?」


夏の生温い風が耳を擦り抜ける。
葉が揺れてる音が聞こえる。


「うん、手貸すから、そのまま」


何となくこの辺にドアがあるはず。
と、両手を少し前に出したらドアより先にジミンの手に掴まった。
視界を遮られてるせいで、その手に胸を高鳴らせる余裕はあまりないみたいだ。

兎に角ジミンの両手頼りに立ち上がる。
ソウルより夏の匂いだ。


「大丈夫、何にもないから、そのまま歩いて」


車から降りると片方だけ手を繋いでジミンに促されるまま、ゆっくりとした歩幅について歩く。

目隠しまでさせといて相当なサプライズなのか。
まだ視界が遮られる前あの辺りなら良いなと思った山のてっぺんにでも来たのだろうか。
目の前に入道雲っていうのもなかなか良い。

それとも他の何か、湖や海。
でも潮の匂いはしないから海はないか。

なんて期待を膨らませながら歩くこと数分。


「ちょっとこのまま待ってて」


立ち止まったと思ったらジミンの手が離れた。
そして遠のく足音。
"このまま"とか"そのまま"とかそればかり。
なす術なく立ち尽くし従う私も私なのだけれど。

そうこうしてるうちに今度は近付く足音が。


됐어!(デッソ!)(もういいよ!)」

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設定タグ:BTS , ジミン , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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かむ(プロフ) - リンゴ酢さん» ありがとうございます😌お洒落は初めて言われました!笑 次回作考え中なのでよかったらまた読みに来て下さい! (3月11日 10時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ酢(プロフ) - かむさんの小説読みやすくてオシャレ(?)でいつも更新されるのを心待ちにしてます🥹💞これからも楽しみにしてます₍ᐢ•͈༝•͈ᐢ₎♡ (3月11日 3時) (レス) @page32 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - サマンサさん» ありがとうございます😂ジミンさんかっこつけたいので応援してあげて下さい!笑 (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 70話の会話のテンポ好きです!ジミン応援したくなります! (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 78ef7cafd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月7日 20時

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