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料金所のバーをくぐった時に遠出なんだと気付いた。
だから途中でとても美味しかったいつかのパン屋に寄ってあれこれ買った訳だ。

どこに行くんだろう
そりゃそう思ったけれど黙って乗っていろと言われたから流れる景色にだけ目を向けて、ジミンのそれに従う。

遠出自体も久しぶりだし、遠くに見える山々が夏の鮮やかな緑色で綺麗だから。
あそこの辺りが目的地なら良いなと思うくらい。
ソウルではなかなか見られない景色だから。


「ちょっとお願いがあるんだけど」


山の向こうに入道雲が見えて携帯のカメラを構えた私にジミンが口を開いた。


「パン取りましょうか?」


「いや、パンじゃなくて」


「、じゃあ何ですか?」


「そこ開けて」


シルバーの指輪が付いた人差し指で私の前のダッシュボードを指差した。
そんな事なら"お願いがあるんだけど"なんて前置きせずに最初から開けてって言えばいいのに。

そう思いつつも結局そう言われたし、ジミンは高速運転中につき四の五の言わず開ける事にした。

カチャンと小さい音と共に手前に開いたダッシュボードの中には一見何もないように見えた。
が、よく見ると布?のような物が。


「…これ?取ればいいんですか?」


取る前に一応聞いてみると、ジミンはこちらも見ずに'そう'と答えて


「もうすぐ着くからそれ付けといてね」


に取って正体が何なのか気付いたタイミングとその言葉はほぼ同時だった。


「アイマスク…」


ポツリと私が呟いたそれはオーソドックスな黒いやつ。
私の声色に嫌悪が滲み出ていたのか、


「アイマスクしたからって別に何もしないから!アイマスク付けさせてそんな事するくらいなら最初から堂々とするよ」


何を堂々とするというのか。
私に気まずい思いをさせる事にジミンは長けていると言っても過言ではない。

運転中という事で私の"気まずさ"はジミンには伝わらずに済んだはず、多分。


「、その言葉信じますからね」


動揺を隠す言葉を選んで自分の目を覆う。
この黒一色の視界から解き放たれる時を目を閉じて静かに待つ。

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設定タグ:BTS , ジミン , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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かむ(プロフ) - リンゴ酢さん» ありがとうございます😌お洒落は初めて言われました!笑 次回作考え中なのでよかったらまた読みに来て下さい! (3月11日 10時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ酢(プロフ) - かむさんの小説読みやすくてオシャレ(?)でいつも更新されるのを心待ちにしてます🥹💞これからも楽しみにしてます₍ᐢ•͈༝•͈ᐢ₎♡ (3月11日 3時) (レス) @page32 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - サマンサさん» ありがとうございます😂ジミンさんかっこつけたいので応援してあげて下さい!笑 (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 70話の会話のテンポ好きです!ジミン応援したくなります! (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 78ef7cafd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月7日 20時

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