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こんな時に限ってジミンからは何の連絡もないし、店にも来ないし、勿論配達の依頼もない。
あんなに偶然どこかで会っていたのに、それさえもない。

ジュンソから話しを聞き出すのは何故か責めてるような感じになってしまいそうで、したくなかった。
だからたった一つだけ。


「ジミンさんが、来たって言ったの?」


それだけ聞くと、失態をおかして明らかに"やってしまった"という表情のジュンソが無言のまま頷いた。

だから後はジュンソじゃなく、ジミン本人に確認しなければならない。
濃いグレーのパーカーと白い向日葵の事。
それからーーー




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:



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夏になると夜の漢江は賑やかになる。

でも今日は平日で幸いにも人はそこまで多くない。
少し前にジミンと来たハンモックのベンチではなく、人通り疎な場所にあるただの木製のベンチに腰を下ろす。

遠くで若者がはしゃいでる声が聞こえるけれど、ここまで来るにはだいぶ距離がある位置だ。

しばし漢江の夜景に目を向ける。
心は割と穏やかだ。

微かな人の声とか風の音とか水の音。
そういう音の中に近づいて来る足音が混じって、それが私のすぐ横で止まった。


「Aが連絡して来るなんて、珍しいね」


この夜に溶け込みそうな黒い半袖のTシャツ姿のジミンがそう言って隣に腰を下ろした。
黒い袖からはジミンの白い長い腕が出ていて、一層白く見えるみたいだ。

ジミンとは反対側にある紙袋を手にしてジミンと私の間に置く。


「これ、返そうと思って」


「、何これ?」


紙袋と私を交互に見たジミンからライラックの香りがした。
このパーカーと同じ。


「貸してくれたパーカーです」


ジミンの目が動揺したのが分かった。
やっぱり、ジュンソの言った通り。
言葉を失くしたジミンに私が続ける。


「白いひまわりも、ジミンさん…なんですか?」


それでも少し怖かった。
自分の声に緊張が漂っている。
太腿の上に置いて握ってる手にきゅっと力を入れて、ジミンの言葉を待つ。

薄暗い中でも分かる。
ジミンの穏やかな瞳が確実に私を見ていると。

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設定タグ:BTS , ジミン , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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かむ(プロフ) - リンゴ酢さん» ありがとうございます😌お洒落は初めて言われました!笑 次回作考え中なのでよかったらまた読みに来て下さい! (3月11日 10時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ酢(プロフ) - かむさんの小説読みやすくてオシャレ(?)でいつも更新されるのを心待ちにしてます🥹💞これからも楽しみにしてます₍ᐢ•͈༝•͈ᐢ₎♡ (3月11日 3時) (レス) @page32 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - サマンサさん» ありがとうございます😂ジミンさんかっこつけたいので応援してあげて下さい!笑 (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 70話の会話のテンポ好きです!ジミン応援したくなります! (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 78ef7cafd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月7日 20時

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