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別れ際に'じゃあまた'という社交辞令の挨拶を言おうとした矢先、ジミンから'あのさ'と。


「今度また花持って来てくれない?」


わざと下から覗く様に私の顔を見て言った。


「いいですよ」


「え、本当に?」


「勿論、ただ今私配達してないんで、ジュンソに伝えておきますね、いつが良いですか?明」


「あーじゃあいい、俺が(・・)買いに行く」


折角明日でも行けると言おうとしたのに。
別に私じゃなくてもジュンソだってそれなりに花の勉強はしてるし、切り花のやり方は事前に教えれば器用なジュンソなら卒なくやれるだろう。

ただお喋りジュンソの事だ。
相手がジミンだと分かればいつもの調子で必要以上にベラベラとお喋りが止まらなくて、ジミンがそれどころではなくなる可能性も。


「なんで笑ってるの?」


「いや、別に、こっちの事です」


私は行かないけどそんな二人をちょっと見てみたいと思ったら、可笑しくて小さく笑った。


ジミンが(・・・・)買いに来た時にでも、そんな光景が少しは見られるだろうか。
なんて淡い期待をした時にふと気付く。


"俺が"買いに行く?


「、ジミンさんが、買いに来るんですか?」


口にせずにはいられなかった違和感。


「そうだけど?それ以外誰もいないじゃん、俺の家に置く花なのに」


私がおかしいのだろうか。
私の記憶違いなんだろうか。
"何言ってるの"みたいに笑ったジミンに頭は混乱し始める。

"ナリさんは?"

そう聞こうとしたが咄嗟に口を噤んだ。
何故ならそこは私が踏み込んでいい所じゃないからだ。
でも私の記憶が定かならナリさんはジミンに花をあげたいって、そう言ってたんだけどーーー


「A?」


眼前数十センチの所でヒラヒラと手を振られて我に返る。


「大丈夫?体調悪い?」


「、え?いや、ちょっとボーッとしちゃって…」


ナリさんが花を買いに来ないのは別な店に行ってるからだと思っていたけれど、もしそうじゃなかったら?
なんて自分に都合の良い事を考えて嫌な女だ。

ジミンは普通に手を振って普通に帰って行ったけど、遠ざかるジミンの後ろ姿を見ている私の心中は普通ではなかった。

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設定タグ:BTS , ジミン , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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かむ(プロフ) - リンゴ酢さん» ありがとうございます😌お洒落は初めて言われました!笑 次回作考え中なのでよかったらまた読みに来て下さい! (3月11日 10時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ酢(プロフ) - かむさんの小説読みやすくてオシャレ(?)でいつも更新されるのを心待ちにしてます🥹💞これからも楽しみにしてます₍ᐢ•͈༝•͈ᐢ₎♡ (3月11日 3時) (レス) @page32 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - サマンサさん» ありがとうございます😂ジミンさんかっこつけたいので応援してあげて下さい!笑 (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
サマンサ(プロフ) - 70話の会話のテンポ好きです!ジミン応援したくなります! (3月9日 21時) (レス) @page20 id: 78ef7cafd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月7日 20時

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