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でもここまで来てもうあと一個後悔を増やすのは避けたいところだ。
だから面倒くさそうで不機嫌そうなユンギが、今にも部屋に戻りそうな雰囲気を出している中


「これ」


紙袋を差し出した。
声はかろうじて震えていなかった、と思う。


「、スコーン焼いたので…良かったら」


ユンギの顔色は変わらない。
ユンギの手も動かない。
ユンギの目も私を見ない。
そっか、駄目なんだ。

ジョングクが何を言っても、例えユンギに彼女がいなくても、あれこれ誤解が解けたとしても、もう元には戻れないくらいの事だったんだ。

お互いが"関係ない"って言ってしまった事も、そういう状況になってしまった事も。
喧嘩もしてないから仲直りも出来ない。
そういう事なんだ。

心のどこかでユンギがまたぶっきらぼうにでも受け取ってくれると思っていた。
自意識過剰だったのだ、私が。
ジョングクの言葉に浮ついてたんだ、馬鹿だ。

駄目だ、泣きそうだ。
私が馬鹿なだけなのに。

スコーンを差し出してる手が宙ぶらりんで虚しくて、下げた。


「…ごめんなさい、いらないのに」


笑う事はできないけど、謝れたのなら上等だと思う。
ユンギは何も言わないからそういう事なんだろう。


「帰ります」


軽く頭を下げた。
ユンギの顔は見れなかった、怖くて。

スコーンは冷凍して私が少しずつ食べればいい。
離れた所からただのファンになればいい。
この家を出れば時間が経って何もかも大丈夫になればいい。

せめて玄関に入るまでは泣かないように下唇を強く噛んで堪えた。
玄関に入ってドアが閉まってしまえば私の自由。
ユンギに見えない。

自分の部屋のドアを開けて中に入る。
勿論、ユンギは追ってこない。
そりゃあそう。
本当に馬鹿みたいで_____

背後で玄関のドアが閉まる直前に、何とか耐えていた涙が足元に一滴落ちた。


「A」


閉まるはずだったドアが(すんで)の所で閉まらなかった。
白い手がそれを止めただけじゃなくて、またドアを開けた。

振り向いた私の目の前にユンギがいて、さっきは私を一度も見なかったその目と目が合った。

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かむ(プロフ) - にゃんさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます🥹しかも新しいのまで!何回でも読み返して下さい!笑 (4月2日 15時) (レス) id: 5dfe42fd36 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ユンギさんのお話最高でした!!最高すぎるのでもう一度読み返しに行ってきます!!(今更新中のお話もとても楽しく読んでます!私の日々の楽しみです!) (4月2日 12時) (レス) id: b48cf01a74 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - u512さん» 私のペンになんて嬉し過ぎます🥲✨私もいつも終わらせたいような終わらせたくないような気持ちで書いてます!(笑)最後まで読んで頂きありがとうございます🥹 (4月1日 10時) (レス) id: fb7c0dcb39 (このIDを非表示/違反報告)
u512(プロフ) - やはり最高です‼️‼️かむさんペンになってしまいました‼️一生終わらないで欲しいと毎度思ってます‼️最強に拗らせられました‼️‼️これからも楽しみにしています🥹✨ (4月1日 9時) (レス) @page34 id: 37a21340a3 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» 見てきたかのようななんて嬉しいです🥹こちらこそ読み続けて頂いてありがとうございます! (3月31日 20時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月27日 23時

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