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一つ一つ新しい発見がある度に、誰かに言いたくて仕方がなくなる気持ちをユンギは知っているのだろうか。
自慢というより"ユンギって実はこんな人なんです"って教えたくなるような。

ユンギの魅力を誰かに分かってほしくなる。
一人でも多くの人に。
そんな事、きっと隣で無防備に寝てるユンギは知るはずもないのだろう。

だからこんなにも気を許して寝てるんだろうから。
黒い髪を思わず撫でると、薄っすら目を開けたユンギと目が合った。


「…どした」


低さに掠れが合わさった声が小さな口から漏れた。


「いえ…たまたま少し目が覚めたんで、触りたくなって」


引っ込めようとした手がまんまと掴まって、そのままユンギが丸ごと私を包み込む。
温かい、というより熱いくらいだ。
でも、抜け出そうとは思わない熱さで好きという気持ちの偉大さに驚く。


「明後日事務所行ったら、その後また、海外行かなきゃなんだよね」


ユンギの声がボソボソと額の辺りで響く。


「そうなんですね、何日くらい行くんですか?」


「多分また4泊とか、そんなだけど」


ひっきりなしに海外に行くんだ、なんて思っただけで勝手にアメリカを想像した。
そんな私の額にユンギが'あー'と嘆く声が


「4泊も俺がいなくて、A寂しいでしょ?」


寝惚けてる様な声なのに完全に起きてる時みたいな事を言うから、思わず見上げてしまった。
ユンギは薄目で私を見下ろしている。


「寂しいから早く帰って来て下さいね」


今度は敢えて従順になってみた。
従順な言葉の後で少し顎を上げて、唇を前に出したらもうすぐそこにユンギの唇があって。
ほんの少しだけ触れた。

あー恥ずかしい。

だから直ぐに俯いて目を瞑った。
また寝ようと思ったから、明日も当然仕事だし、と。
なのに私を包んでたユンギの腕がバッと勢いよく離れて、なんだ急に?と思った時にはもうユンギが私に覆い被さる形で。


「寝れないからな?」


寝惚けた声色でもないし、薄目でもないユンギの言葉に喉を鳴らした。
何を言っても何をしても、どのみち"こういう事"になるのか。

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かむ(プロフ) - にゃんさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます🥹しかも新しいのまで!何回でも読み返して下さい!笑 (4月2日 15時) (レス) id: 5dfe42fd36 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ユンギさんのお話最高でした!!最高すぎるのでもう一度読み返しに行ってきます!!(今更新中のお話もとても楽しく読んでます!私の日々の楽しみです!) (4月2日 12時) (レス) id: b48cf01a74 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - u512さん» 私のペンになんて嬉し過ぎます🥲✨私もいつも終わらせたいような終わらせたくないような気持ちで書いてます!(笑)最後まで読んで頂きありがとうございます🥹 (4月1日 10時) (レス) id: fb7c0dcb39 (このIDを非表示/違反報告)
u512(プロフ) - やはり最高です‼️‼️かむさんペンになってしまいました‼️一生終わらないで欲しいと毎度思ってます‼️最強に拗らせられました‼️‼️これからも楽しみにしています🥹✨ (4月1日 9時) (レス) @page34 id: 37a21340a3 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» 見てきたかのようななんて嬉しいです🥹こちらこそ読み続けて頂いてありがとうございます! (3月31日 20時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月27日 23時

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