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「どうせ何言ってもそうするんだろうし、自分の力でここまでやってきて納得させてきたんだから、お前の好きなようにすればいい」


それまで黙って聞いていた男性の方。
ユンギのお父さん。

微笑みこそないもののずっしりとした重みのある声で、ユンギと同じ様に淡々と言った。
それからテーブルの上のコーヒーらしき物を一口飲んで


「でも一緒に住みたいってお前が言ったんだから、途中で投げ出すような事するなよ」


カップを置いた後、人差し指をユンギに向けてピシャリと言った。
ユンギが軽く頷きながら'分かってるよ'と。

その後で女性の方、つまりユンギのお母さん。


「私達ももう行かないと、お父さん」


腕時計を確認した後で直ぐに立ち上がった。
それに促されるようにユンギのお父さんもソファからのそりと立ち上がった。

お母さんはユンギに何も言わないんだろうか。
私の出る幕ではないが、そうやって余計な事を考えてしまって。

それが私の顔に出ていたのかどうかは分からないけれど、ユンギのお母さんが私の目の前で足を止めた。
私より少しだけ背が高い。


「この子の扱いは大変だから苦労すると思うけど、よろしくお願いします」


まさか頭を下げられるとは思ってもいなかった。


「いえ、こちらこそ」


どういう意味で自分の口から出たのかは謎だ。
でもユンギのお母さんのお辞儀より、ずっと下の位置に頭を下げて言えたのは確かだった。

ユンギの手が離れて、玄関に向かうご両親の後に付いて行った後。
一人リビングに残されたまま、整理できてない頭で何のせいで心臓が五月蝿いのかをぼんやり考えていた。

そんな所で突っ立って何やってんだ、と言われるような何もない位置で。

一、二分程でユンギが戻って来ると、リビングのドアが閉まった音で我に返った。
そして黒い髪をふわふわと揺らすユンギが私の目の前までゆっくりと歩いて来て


「そんな訳で内見は行かなくていいと思うんだけど、Aはどう?」


そんな狡い聞き方をした。

そんなの私がどうするかなんてユンギが一番よく分かっているはずで、たった一個の選択肢しか無いのに。

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かむ(プロフ) - にゃんさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます🥹しかも新しいのまで!何回でも読み返して下さい!笑 (4月2日 15時) (レス) id: 5dfe42fd36 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ユンギさんのお話最高でした!!最高すぎるのでもう一度読み返しに行ってきます!!(今更新中のお話もとても楽しく読んでます!私の日々の楽しみです!) (4月2日 12時) (レス) id: b48cf01a74 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - u512さん» 私のペンになんて嬉し過ぎます🥲✨私もいつも終わらせたいような終わらせたくないような気持ちで書いてます!(笑)最後まで読んで頂きありがとうございます🥹 (4月1日 10時) (レス) id: fb7c0dcb39 (このIDを非表示/違反報告)
u512(プロフ) - やはり最高です‼️‼️かむさんペンになってしまいました‼️一生終わらないで欲しいと毎度思ってます‼️最強に拗らせられました‼️‼️これからも楽しみにしています🥹✨ (4月1日 9時) (レス) @page34 id: 37a21340a3 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» 見てきたかのようななんて嬉しいです🥹こちらこそ読み続けて頂いてありがとうございます! (3月31日 20時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月27日 23時

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