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ユンギの匂いと体温に包まれた安心感は想像以上だった。
好きな人だからか、それともユンギだからか。
きっと後者だ。

宥める様に私の背中を撫で続けた数分の後、身体が離れるとユンギが自分の部屋着の袖口で


「きったな」


なんて言いながら私の顔を雑に拭った。
ユンギのその顔は久しぶりに見る可愛らしい笑顔だったから、憎まれ口は無罪放免だ。

それから私の手にしていた紙袋を手にして、その直後に欠けたスコーンまで拾い上げたユンギ。


「全部食べるよ、ケーキも全部食べたし」


それには思わず'えっ!'と少し大きめの声を出してしまった。


「食べ切れないって…」


「あんなの嘘に決まってんじゃん」


やっぱり嘘だった。
いや、何の為に嘘?


「Aの事呼んで、ちゃんと話そうと思ったのに、お前が来ないから」


「ちゃんと話そうって…何をですか?」


私が聞いたのだけれど、ユンギは眉間に皺を寄せて怪訝な顔をしながらも私の手首を掴んで


「移動してから話す」


私の部屋のドアを開けた。

右手にスコーンの袋、左手には私の手首。
でも自分の部屋のドアを器用に右手で開けて、そのままユンギの部屋に入る事となった。

来なくなって日が浅いのに懐かしいなんて思うのは大袈裟だろうか。


ユンギの家に入ると手首の手が自然と離れて、それを惜しむ様にユンギの後を追って部屋に入る。
入るや否やスコーンの袋を探りながら歩くユンギ。


「もしかして、今から食べるんですか?」


「当たり前、あ、あっためて食べた方がいいんじゃん?」


いや、そういう質問はしてないんだけど。
と思ったが頷くとブルーベリーとチョコと二個ずつ取り出して手際良く袋を開けて、電子レンジにかけた。

話しをするよりも先にスコーンとコーヒーを用意する事が先なようで大人しくソファに座って待つ事にした。


잘 먹겠습니다(チャル モッケッスムニダ)
(いただきます)


二度と見られないと思ったユンギのその瞬間の横顔に心がふわっと温かくなった。
ソファの上に胡座をかいて座っているのに、綺麗にそう言ってスコーンを齧る姿も夢じゃないんだな、と。

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かむ(プロフ) - にゃんさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます🥹しかも新しいのまで!何回でも読み返して下さい!笑 (4月2日 15時) (レス) id: 5dfe42fd36 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ユンギさんのお話最高でした!!最高すぎるのでもう一度読み返しに行ってきます!!(今更新中のお話もとても楽しく読んでます!私の日々の楽しみです!) (4月2日 12時) (レス) id: b48cf01a74 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - u512さん» 私のペンになんて嬉し過ぎます🥲✨私もいつも終わらせたいような終わらせたくないような気持ちで書いてます!(笑)最後まで読んで頂きありがとうございます🥹 (4月1日 10時) (レス) id: fb7c0dcb39 (このIDを非表示/違反報告)
u512(プロフ) - やはり最高です‼️‼️かむさんペンになってしまいました‼️一生終わらないで欲しいと毎度思ってます‼️最強に拗らせられました‼️‼️これからも楽しみにしています🥹✨ (4月1日 9時) (レス) @page34 id: 37a21340a3 (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - 苺あめさん» 見てきたかのようななんて嬉しいです🥹こちらこそ読み続けて頂いてありがとうございます! (3月31日 20時) (レス) id: 03d417d136 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月27日 23時

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