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翌日。
よく寝たおかげかすっかり解熱して仕事に来たのだけれども。


「店長ー」


「だから店長じゃないって…」


煙草を吸いに行くと出て行ったジュンソが戻ってくるや否や私の目の前に何かを突き出した。
近すぎてピントが合わず一歩下がる。

白い向日葵、だ。

濃いグレーの大きいパーカー、そして昨日と同じ白い向日葵。
それを持ってるジュンソ。
もしかして昨日のもジュンソが驚かせようとしてーーー


「これ、店長に渡してくれって頼まれたんですけど」


予想が外れた。
もうこうなると私を"店長"と呼び続ける事に突っ込んでいられない。

だからとりあえずそれを受け取って


「その人今どこに」


「もう行っちゃいましたよ、渡してくれってそれだけ言って」


それでも店から飛び出さずにはいられなかった。
もしかしたらまだ何処かで私の様子を見てるんじゃないかって、自意識過剰かもしれないけれど。

白い向日葵片手に店の外に出てみれば、今日は夏の日差しで目が眩みそうになった。


「男の人でしたよ、多分」


店内から顔だけを出したジュンソが言った。


「多分って何それ」


「いやなんか男っぽくないっていうか、シルエットが中性的だったんで、多分って付けたんですけどね」


こうやって外で見ててもジュンソの話を聞いても送り主が誰なのか捜すのは困難そうだ。


「昨日も、同じひまわりが来て」


エアコンの冷たい風に髪を煽られるジュンソが'え?'と掃除の手を止めた。


「私体調が悪くて寝ちゃっててその間に置いて行ったみたいで…」


「えぇ?!店長体調悪かったんですか?!なんで呼んでくれなかったんですかー!」


「あーいや、でも、店長が来てくれて早めに帰れたから大丈夫だったから」


「それ結果論ですからね」


'まったく'と、掃除を再開しながらいつも私が言うようにジュンソが言ってみせた。

パーカーの大きさ的にジュンソでもおかしくないと思ったけれど違った。
嘘を吐いてる?と一瞬だけ思ったけれど、ジュンソはそんな器用じゃない。
良くも悪くも、だ。

2本目の向日葵だけが私の手元に残った。

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設定タグ:BTS , ジミン , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月1日 21時

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