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白薔薇を3本買ったナリさんはよっぽど気分が良かったのかジミンの事を沢山話して帰って行った。
二人がどれくらい付き合ってたとか、どっちから告白したとか、ジミンのどういう所が好きだとか。
あんまりよく聞いてなかったけれど。
ナリさんにそのつもりはないのかもしれないが、薄っすらと"牽制"を感じた。
私がジミンの家に花を届けてる事も知ってる。
ここにジミンが来た事も知ってる。
多分、こないだジミンに手を握られてる所も見てる。
牽制なんかしなくても何もないのに。
店長が不在で良かった。
店長は電話で言った通り退院から2日後、お腹を撫でながらまたお店に立つ事になった。
「本当に大丈夫なんですか？」
「大丈夫、先生からも落ち着いたって言われてるんだから、あともう少しは平気」
そう言いつつ私よりも何倍も慣れた手つきであっという間に可愛いブーケを作っていて、やっぱりまだまだ敵わないと思い知る。
「あ、A、そういえば」
'何ですか？'と切り花の水交換の手を止めずに返す。
「ジミンさんから、今日花お願いって連絡来てたよ」
そこで手を止めた。
「Aの連絡先教えたのに、なんで私に連絡して来るのかな」
「、さあ、何ででしょうね」
丁度つい先日ナリさんが買って行った白い薔薇の水を交換していたところだ。
「ジミンさん、今花いらないはずなんですけどね。こないだお客さんがジミンさん宛に買って行きましたから」
「そうだったの？んー…でも一応配達の依頼だから、断るわけにもいかないよねぇ」
確かに。
店長の言う通りだ。
水が綺麗になった白い薔薇はたった数分前よりいきいきしてるように見えた。
綺麗で棘がいっぱい。
「…そうですね、丁度終わったので今行って来ちゃいます」
こないだ持って行くタイミングを逃したライラックでいいやって。
白い薔薇がある事を考えて白いライラックだ。
程度はこないだの方が良かったけど、しょうがない。
久しぶりに店長の見送りを受けてエンジンをかける。
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年3月1日 21時
