33 ページ33
人の話は最後まで聞けと幼稚園で教わらなかったのかパクジミン。
そんな事を思っても仕方ないのだが。
思わずにはいられなかったのだ。
思うだけは
ジミンから送られて来たのは来て欲しいと言っていた所の住所と
「花持ってこいって…だから店やってないって…」
括弧の中に買ってくればいいと書いてあるものの、それ以外のヒントは無しだ。
全く簡単に無理難題を言ってくれる。
それにもう一つの項目も頭を悩ませた一つだ。
いやむしろ花よりそれの方が難題かも。
合ってるかどうかも分からないが、説明不足が悪いという事にしてメッセージの住所に向かう事にした。
:
:
:
「何ここ…」
タクシーで降り立った場所は自分とは違うオーラを放った人達が吸い込まれて行く建物。
何かがキラキラしている。
髪か顔かオーラか。
いやその全部かもしれない。
兎に角"場違い"というワードだけが肩にのしかかって建物の前から動けずにいる。
とはいえ、立ち往生していてもただの不審者だ。
慣れない靴に苦戦しながらも階段を上がり、人々が吸い込まれる建物へと。
「何、ここ…」
ここに来て2回目のそれが出た。
大きな音楽が流れるクラブ？のような。
クラブに行った事はないから想像でしかないが。
もはや場違いを隠す気もおきなくて、赤を基調とした小さなブーケを抱えたまま辺りに目を向けながら彷徨く。
そこら中に見た事のある顔がいる。
モデル、歌手、俳優、それからーーー
「A！」
ジミンだ。
黒いスーツ姿？かと思いきや近づいて来てそうではない事に気付く。
サタンの様な緩いシャツだ。
「…あの、とりあえずこれ」
手にしていたブーケをジミンに渡す。
大きめの声じゃないとよく聞こえないがジミンの口が"ありがとう"と動いたのは分かった。
だからそれに頭を下げて用が済んだ私は帰るとする。
「待って待って！」
なのに肩を掴まれて
「まだ終わりじゃないから」
そう言って笑うジミンがいつもと違って見えた。
同じなのに同じじゃない。
髪型のせいか、この場所のせいか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 385人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かむ
| 作成日時：2024年3月1日 21時
