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'何ですか'と聞かずとも携帯から私に向けた一重と目が合う。
「A、夏生まれなんだ」
「、そうですよ、さっき誕生花って言ったじゃないですか」
人の話を聞いてるのか聞いてないのか。
僅かに残ったコーヒーカップのストローを咥えて飲む。
あともう一口残った。
「何月何日？俺は10月13日」
「別に聞いてないし教えませんよ？」
腹筋だけで勢いよく上半身を起こしたジミン。
「なんで？！別にいいじゃん、誕生日くらい」
「じゃあ教えたら何か良い事あります？」
"ないでしょ"と言わないだけで目を逸らしてその雰囲気だけ醸し出す。
隣から'うーん'と人が考えてる時の声だけ聞こえる。
だからないでしょ。
「あるよ、俺が祝ってあげる、あ、Aの店の花全部買って？」
それは"ある"と言っていいやつなのか？
しかも俺が祝って
自信が漲ってるせいかキラキラして見えた。
のくせに最後に"？"を付けるとかもう訳がわからない。
「ジミンさん…どれだけ自信満々なんですか、笑」
残り一口のコーヒーを飲もうとしたのに。
耐えられず吹き出してそれどころじゃなくなった。
あははと声を出して笑うとボリュームが少し大きかったようで、それが少し響いた。
まさかこんなタイミングで笑わせられるとは予想外だったが、キョトンとしてるジミンが更に可笑しくて笑えた。
「自信満々って訳じゃないけど…」
すると今度は拗ねた様な表情に唇を尖らせるから
「じゃあ期待してますね、夏。それまでジミンさんが今日のこと覚えてたら、誕生日教えて
わざとジミンの真似をして言った。
私のそれはジミンの様な自信満々のやつではなく、ただ単に真似だけで意味はない。
飲み逃した最後の一口を飲もうとした。
が、その手を止められた挙句ストローを咥えたのは私ではなくジミンだった。
「絶対覚えてるからね、約束ね」
そう言った上目遣いのジミンの目はやっぱり自信に満ち溢れて見えたしキラキラしていた。
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年3月1日 21時
