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「Aが一番好きな花は何?」
尻餅をついたらそのまま帰ればいいのに。
その願いは叶う事なくまだ隣に当然のように居座るジミンからの唐突の質問だ。
"全部"と答えれば簡単に済みそうだったが、好きな花が頭に浮かんでしまって
「ひまわり」
口から落ちる様にそれが出た。
いつか見た事がある自分よりずっと背の高い向日葵が咲きほこるその場所の記憶が蘇る。
確か両親が私の誕生花だからって連れて行ってくれた。
「ひまわりって黄色のイメージが強いと思うんですけど、実は他の花と同じ様に実は色んな色があって花言葉も違うんですよ」
その時に黄色の向日葵を貰った。
"誕生日おめでとう'って。
そう言われたから私の誕生日を知る両親かその日会ってそれを伝えた
そこの記憶が曖昧だ。
でも嬉しかったのは確かだったからこそ、今もこうやって覚えている。
「私の誕生花なのもそうですけど、ひまわりって貰う本数でも意味が変わるし、あ、バラもそうなんですけどね。しかも大きいと3メートルくらいまで大きくなって、太陽に向かってそこまで大きくなるって凄いと思いま」
まただ。
思わず相手を忘れてベラベラと。
記憶の中の向日葵畑から現実のジミンを認識して、饒舌な説明をそれまでに飲み込んだ。
「…サングラスした方がいいんじゃないですか」
ジミンの額の上で飾りになってるそれに目配せをして話題を変える。
「ひまわりの話ししてたのに急に?笑」
「いやもう私の話はいいですよ、それよりサングラスして下さいよ、人に見られるかもしれないですし」
「いや良くないよ、まだひまわりの本数の話聞いてないじゃん」
「そんなの教える訳ないでしょ、自分で調べて下さいよ」
'じゃあ調べるからいいよ'と仰向けに寝そべったまま携帯を触りだしたジミンはサングラスなんてする気がないようだ。
靴下に芝生が付いてて記憶の断片が過る。
そういえばあの時、私が貰った向日葵はーーー
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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月1日 21時