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明日は休みで天気も良くなりそうだから一人ピクニックでもしようかと。
そう計画を立てたら気分が良くなって家に帰ってすぐにチキンを注文した。
もし食べ切れなかったら明日のピクニックに持って行けばいいし、くらいの気持ちで。
それくらい有意義な休日に心浮かれている。
"後は寝るだけ"の状態で目の前にはコーラとチキン。
奮発して買ったこの家にしたら大きめのテレビには見たかった映画。
最高の時間である。
−−−♩
丁度一口チキンを頬張った時。
ソファの隅で存在を半分忘れられていた携帯が思い出せと言わんばかりに鳴る。
こんな時に誰だ、と思いつつも取らない訳にはいかない。
「、もしもし」
両手はチキンで使えない。
肩と頬で挟んで電話を受ける。
どうせ何とかネットワークの新プランの云々とかに決まってる。
知らない番号は大体そう。
だから敢えて"今食事中ですよ"アピールの為にもう一度チキンを頬張った。
「あ、もしもし?あ、あれ?Aさんの携帯ですか?」
何とかネットワークのって来ると思っていたから予想外の言葉にチキンを置く事になった。
「、はい、そうですけど…どちら」
「あー良かった!声が違う人みたいだったから!あ、俺ジョングクです!」
ジョ………!
両頬に詰まったチキンを吐き出しかけて耐えて、慌てて飲み込んだ。
いや、コーラで流し込んだと言った方が正しいかも。
流し込みながら映画を一時停止して蔑ろに扱っていた携帯をちゃんと手で持つ。
「すみません、ちょっとバタバタしててそれで喋り方が変に…」
「あ、そうだったんですね、忙しい時間にすみません」
「あーいえいえ!全然それは!全然大丈夫です!気にしないで下さい!」
携帯の向こう側から'良かった'と柔らかい口調の声が返ってきてチキンなんか食べてる場合ではなくなった。
ていうか"良かった"は私の気持ちだ。
胡座だったのにいつの間にか正座してる膝に目がいく。
「Aさんちょっと待って下さいね」
逞しくて綺麗とは言えない膝なんか見てる間に、そう残したジョングクの声が遠ざかった後で小さな声がいくつも聞こえた。
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作者名:かむ | 作成日時:2024年3月1日 21時