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「ジョングギみたいなのが好きなんだ、分かりやす」
「そういうわけじゃないです」
「Aって相当面食いなんだね」
「だから違いますってば！ただ普通にかっこよくてちょっと緊張しただけで」
「じゃあ俺はかっこよくないって事？」
ああ言えばこう言う。
今この状況が正にそうだ。
確かにうっかり口走ってしまったが、仕方がない。
ジョングクを一番かっこいいと思った瞬間があったのは消せない事実なんだから。
ただそれをパクジミンに言えないだけ。
だから唇をわざと尖らせて'ひどくない？'と詰め寄るパクジミンに
「…ジョングクさんとは違った良さがあるんじゃないですか」
と、実に苦しい言い逃れをした。
私のその言葉にパクジミンがまた'違った良さって？'とかその辺をいちいち突いて来ると思ったのだが。
何も突っ込んで来ないしむしろ尖ってた唇までいつの間にか元通りで。
意外と納得したのかも、なんて気を緩めた瞬間。
「俺の名前は呼ばないのに、ジョングギの名前は呼ぶんだ」
パクジミンのそれがどこで聞こえたか。
私の左耳のすぐ横だ。
思わず肩が竦んだ。
咄嗟の出来事にも身体はしっかり反応するように出来ている。
何が起きたのかその瞬間では理解出来なくて、かろうじて動く両目だけ他の熱を感じる左側に向けた。
20センチくらいの距離にいるパクジミンと目が合った。
その目がゆっくりと細くなって厚めの唇の口角がきゅっと綺麗に上がる。
「
初めて気付いた。
パクジミンの香水。
ホワイトライラックが強く香っている。
何処かで何かがドンと一回鈍い音を立てたけれど、パクジミンはそれに反応しなかった。
何故ならその音は
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年3月1日 21時
