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一回、身体が震えたと思ったくらい鼓動が大きくなった。
先輩が私の答えを待っている。


「、当然じゃないですか」


上手く話せてる、はず。
自信はないけれどすかさず嘘を吐く以外の道はない。


「あ、因みにですけど、ジョングギとも仲良いわけじゃないですよ?連絡先すら知らないですし、偶然というか。だから、ジミンさんなんて余計、ほぼ知らない人ですよ」


有る事無い事自分の口からスムーズに出て来て、言葉を紡ぐ度に傷付いて罪悪感に苛まれた。

"ほぼ知らない人"
先輩に言ったそれは有る事無い事の"有る事"の方で意識が遠のく感覚がした。
だから'それならよかった'という先輩の返事は壁を隔てた向こう側の声の様に聞こえた。




私はジミンの何を好きになったんだ。

遠慮のない強引な手、五感を簡単に侵す匂い、幼さの中に妖艶さも含んだ瞳、風さえも飾りにする髪、甘く低く優しい声、懐に潜り込んでくる笑顔。
柔らかい玉唇。
思い出せるジミンの全部。

連絡先すら知らないのに?
私はジミンの何を知って−−−


何かに気付いてしまった気がして考えるのをやめた。

それでも頭の片隅にはジミンが浮かんでは消えるから私は本当にどうしようもない。
後悔しているのに気持ちがそれに反している。
この閉塞状況を解決する為の糸口さえ掴めないままでいるのに。

馬鹿だ。



いつもと変わらず少し遅い退勤になった。
仕事量は少し減ったのに遅い退勤なのは完全に私の気持ちの問題である。

上から順調に降りて来るエレベーターをこの7階で待つのは今日も私一人だけ。
まだ数人残っている人がいるが、私より遅く帰るのだろう。

チカチカとエレベーターの到着を知らせるオレンジ灯が点灯してドアが開いた。


「A」


途端に鼻を掠めた匂いと声に全身が反応した。


「久しぶり」


そう言って微笑む顔は今日思い出していたそれと寸分の狂いもない。


잘 지냈지?(チャル ジネッチ?)(元気だったでしょ?)」


躊躇している私に気付かないジミンは何の躊躇もなく私の手を掴んでエレベーターに引き寄せた。
エレベーターのドアはジミンの味方をしているかの様に音もなくゆっくりと閉まった。

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設定タグ:BTS , ジミン , ジョングク   
作品ジャンル:恋愛
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かむ(プロフ) - あこさん» それは作中のジミン氏が泣いて喜ぶやつ言葉ですね🥹最後まで読んで下さってありがとうございました! (2月29日 7時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 最後の最後でジョングクと付き合うのは予想してなかったです😖⤵ジミンとくっついて欲しかった🥺次はジミンが幸せになるお話をお願いしますm(_ _)m楽しみにしていますね(*^^*) (2月29日 5時) (レス) @page40 id: c61c62757d (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - Tearさん» レスが遅くなってすみませんㅜㅜこちらこそ最後まで読んで下さってありがとうございます!! (2月27日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
Tear(プロフ) - かむさん…最高です!本当に最高しか言えないです!素敵なお話ありがとうございます! (2月24日 22時) (レス) @page40 id: f87fa27e4a (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - senra1003さん» いやいや恐れ多いですぅぅ…ㅜㅜでもそうやって言って頂けると本当に励みになります(;ω;) (2月23日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年2月20日 19時

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