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ジョングクの服は匂いも皺もない真っさらな状態でクリーニング店から返却された。
匂いも皺もなくなってこの服が手元に無くなったら本当にもう何もかも繋ぐ物がなくなる。
そんな事今思ったって何の意味もないのに。
「先輩、あの…」
話しかける事を躊躇したが、仕方がない。
キーボードを打つ手を止めた先輩が隣に立つ私に'何？'と。
声色が冷たい。
これも仕方がない。
こんな事をお願いするなんてどうかしてると思われるかもしれないが、それも仕方がないと言い聞かせて。
手にしていた紙袋を先輩の前に差し出す。
「申し訳ないんですけど…これジョングギに渡してもらえせんか」
先輩があからさまに怪訝な表情をつくる。
「自分で渡せばいいでしょ」
「いえ…それがちょっと無理そうなので…」
'何なの…'と小声で呟いた先輩。
このまままごまごと話していては先輩の静かな苛立ちを肥大化させてしまいそうだ。
「私、辞めるので」
言うつもりはなかったのだけれど"仕方がない"。
今さっきまで不快を露わにしていた先輩の表情が一変した。
'え'とそれは酷く小さい声で呟いてまつ毛の長い目を見開いている。
「…私、何も…」
そこまで口にした先輩が綺麗にネイルされた手でハッと口を噤んだ。
それがどういう事かは今となっては考える事ではない。
知る必要ない。
何か考えた所で先輩に言った様に私が辞めるという事実は変わらないからだ。
「…私の都合でこんな事お願いしちゃって本当にすみません。でも、他に頼める人がいなくて」
口を噤んだ方の手もそうじゃない方の手も私の差し出す紙袋を受け取ってくれた。
先輩の気まずそうな表情にまた申し訳ないなと思う。
「よろしくお願いします、それから、お世話になりました」
あまり仰々しくお辞儀をするとまた周りのスタッフがなんだなんだと騒ぎかねない。
だから敢えて小さく会釈をして、言葉こそなかったもののそれを返してくれた先輩を確認した後でデスクに戻る。
まだ自分の荷物の片付けが完全に終わっていないからだ。
ジョングクの服を一ヶ月も返せなかった。
困ってるかもしれないのに往生際が悪いし、この期に及んで私は自分の欲に負けて、本当呆れる。
一回だけ少し泣いたけれどそれで少しはスッキリしたし、今日で本当にもう一生何の関係もなくなる。
外はまだ少し肌寒いけど、春が近付いてきている。
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かむ(プロフ) - あこさん» それは作中のジミン氏が泣いて喜ぶやつ言葉ですね🥹最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2月29日 7時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 最後の最後でジョングクと付き合うのは予想してなかったです😖⤵ジミンとくっついて欲しかった🥺次はジミンが幸せになるお話をお願いしますm(_ _)m楽しみにしていますね(*^^*) (2月29日 5時) (レス) @page40 id: c61c62757d (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - Tearさん» レスが遅くなってすみませんㅜㅜこちらこそ最後まで読んで下さってありがとうございます！！ (2月27日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
Tear(プロフ) - かむさん…最高です！本当に最高しか言えないです！素敵なお話ありがとうございます！ (2月24日 22時) (レス) @page40 id: f87fa27e4a (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - senra1003さん» いやいや恐れ多いですぅぅ…ㅜㅜでもそうやって言って頂けると本当に励みになります(；ω；) (2月23日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月20日 19時
