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「ヌナ」
階段を上がり終えるや否や飛び出して来たジョングクに驚いてまたビニール袋を落としかけた。
「びっくりしたぁ…何してるのここで…」
「何ってヌナが来るの待ってたんじゃん、それ以外ある？」
それは私が聞きたい事だ。
でもそう言うと埒があかないので'ない'とだけ答えてあと一段残った階段を上り終えてロビーへと足を踏み出した。
「待たせちゃってごめんね、もう大丈夫だから、ジョングギも行って」
ジョングクに別れを告げて今度こそ家に帰る。
びしょ濡れの服が入った地味に重いビニール袋を持ったままで、あちこちフラフラするのはもう終わり。
それに、気持ちも落ち着かない。
死ぬわけでもないのにエンドロールの様にあれこれ考えてしまう。
'じゃあ'と言ってジョングクに手を振って、何も言わないジョングクから自分が向かうべき方向に目を向ける。
「何も言ってくれないの？」
一歩踏み出した足が止まってしまった。
これじゃダメなのに。
ダメだと思うのにジョングクの声色が違うから、振り向かずにはいられなかった。
「俺がどんな気持ちで待ってたか、分かんないの？」
言葉が力強い。
迷いがない。
迷ってるのは私だ。
私と同じピアスが付いた唇を軽く噛んだジョングクの目も何の迷いもなく私に向けられている。
「話したくない？」
「そういう事じゃないけど…」
「じゃあなんでそんなすぐ行こうとするの？俺には言えない事があった？」
「何にもないよ…、さっき大丈夫って言ったじゃん、」
「ヌナ」
ジョングクの手が私の手を掴む。
ビニール袋を持ってない方の手。
言葉と同じ力強い右の手。
いつも私を助けてくれた手だ。
それが痛い程分かるからこれ以上は駄目だと思う。
本当なら"殆ど関わらない人"だった。
ジョングクもジミンも。
仕事で時々顔を合わせる事はあっても"そういえば見た事あるかもしれない"くらいの認知度で。
会っても挨拶程度で。
私は毎日仕事に追われて、でも働きたかった場所だからそれなりに充実もして、たまに先輩とご飯食べに行ったりして。
そのうち何処かで知り合った誰かと普通に恋愛をして結婚して−−−
「ジミニだけじゃなくてジョングギとも、もう会いたくない」
私を助けてくれた手を振り解く。
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かむ(プロフ) - あこさん» それは作中のジミン氏が泣いて喜ぶやつ言葉ですね🥹最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2月29日 7時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 最後の最後でジョングクと付き合うのは予想してなかったです😖⤵ジミンとくっついて欲しかった🥺次はジミンが幸せになるお話をお願いしますm(_ _)m楽しみにしていますね(*^^*) (2月29日 5時) (レス) @page40 id: c61c62757d (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - Tearさん» レスが遅くなってすみませんㅜㅜこちらこそ最後まで読んで下さってありがとうございます！！ (2月27日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
Tear(プロフ) - かむさん…最高です！本当に最高しか言えないです！素敵なお話ありがとうございます！ (2月24日 22時) (レス) @page40 id: f87fa27e4a (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - senra1003さん» いやいや恐れ多いですぅぅ…ㅜㅜでもそうやって言って頂けると本当に励みになります(；ω；) (2月23日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月20日 19時
