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スリーブ越しに伝わるホットコーヒーの温かさが今日は身に沁みる。
後ろでガタンと音がした。
何も見えない空に気を取られていたが周辺のガーデンチェアに誰かが来たのかもしれない。
振り向いて椅子から立ち上がったのは−−−私だ。
「ちょっと待って」
今までとは違ったもっと強く強引に掴まれた腕。
その反動で私の手からまだ殆ど飲んでいないコーヒーが地面に落ちた。
ペンキをぶち撒けたかの様に溢れたコーヒーから湯気が上がっていた。
ジミンだってここに来る事があって当然なのだけれど、今は"なんで"としか思えない。
落ちて無惨な姿のコーヒーにも、だ。
'ごめん'と言ったのはジミンで何に対しての"ごめん"なのか。
「、…寒いし、もう仕事に戻るから」
"離してほしい"という意味を込めてそう言ったのだけれど
「無理、来て」
ジミンの手の力は弱まるどころか強くなって、私の手首を掴んだまま歩き出す。
向かい風に乗ってジミンの香りが強く香る。
屋上庭園の奥の方へ進んだジミンは壁に囲まれた一角で足を止めて、私もそこで止まる事になった。
風が止んだ。
振り向いたジミンの表情は空と同じ様に曇っていて苦しそうに見えた。
それでいてアウターも着ず薄着で。
溜息を吐いたジミンのその息は白い。
「…ジョングギの事、好きって…いや…」
目を覆いそうな前髪をかき上げたジミンが首を振った。
「彼女がいるって言わなかったのは…ごめん」
久しぶりにジミンと目が合う。
さっきの"ごめん"は落ちたコーヒーに対しての謝罪だったようだ。
だからといって今になって"ごめん"なんて言われても、それは私に言う言葉じゃなくて、彼女である先輩に言う方が正しいんじゃないかって。
そう思うのに言えないのはこんな時にまでジミンは私から目を逸らさないからだ。
「…私には、関係ない、から」
だから先に目を逸らしてそうとしか言えなかった。
口から出して思った。
そう、関係ない。
好きだと言われてもないし付き合ってたわけでもない。
私はただ−−−
「、私はただ、…キスしただけだから」
泣きそうで喉の奥が熱くなる。
顔を覆ったジョングクのタオルを思い出してそれを飲み込んだ。
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かむ(プロフ) - あこさん» それは作中のジミン氏が泣いて喜ぶやつ言葉ですね🥹最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2月29日 7時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 最後の最後でジョングクと付き合うのは予想してなかったです😖⤵ジミンとくっついて欲しかった🥺次はジミンが幸せになるお話をお願いしますm(_ _)m楽しみにしていますね(*^^*) (2月29日 5時) (レス) @page40 id: c61c62757d (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - Tearさん» レスが遅くなってすみませんㅜㅜこちらこそ最後まで読んで下さってありがとうございます！！ (2月27日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
Tear(プロフ) - かむさん…最高です！本当に最高しか言えないです！素敵なお話ありがとうございます！ (2月24日 22時) (レス) @page40 id: f87fa27e4a (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - senra1003さん» いやいや恐れ多いですぅぅ…ㅜㅜでもそうやって言って頂けると本当に励みになります(；ω；) (2月23日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月20日 19時
