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部屋の中に入るとごく自然に手が離れた。
離れた私の手はやっぱりやや湿っていたけど、それを気にする間もなく
「これあげる」
ジョングクに何かを差し出されてすぐに受け取らなければならなかったからだ。
何かの塗り薬のような。
「さっきトレーニング室からこれ持って来たんだよ、あ、勿論未使用だから」
"勿論"と言われても私が気になってるのはそこじゃなく
「、なんで薬？」
これだ。
返す事こそしないものの、訳がわからないのだから仕方ない。
でも逆にジョングクは'え？'なんて眉を寄せて
「ピアスの穴、さっき痛そうだったじゃん。だから持って来たのー」
と、アウターを脱ぎながら言った。
やっと薬を渡された事を理解した。
わざわざ薬を取りに行ってくれていたなんて。
'優しいね'と言おうと思ったけど、俺は優しいって言ってたのを思い出してやめた。
そのかわり'ありがとう'と言ってデニムのポケットに薬を入れた。
「ヌナあのさ」
用は済んだしもう帰るべきかと思い、敢えて椅子には座らなかったままでいたのだが。
ジョングクが口を開いた事でピアスを開けた時よりも適度な距離を保られている空いてる椅子にゆっくり腰を下ろす事になった。
「…勿論俺はジミニヒョンに彼女がいる事、知ってたんだけど」
私ではなく電源を入れたパソコンのデスクトップを見るジョングクの横顔が言った。
"ジミン"という名前に一瞬お腹の奥底が冷たくなる。
「相手がいてもいなくても、誰かを好きになるのは気持ちの問題だからしょうがないって思うんだよ。だからヌナがそうなってもそれはそれでしょうがない、好きになる事は問題じゃないって言ったのは、本心」
デスクトップの明るい画面に照らされたジョングクの横顔からは冗談は感じない。
「実際、ジミニヒョンって魅力的だし、自分の魅力を上手く見せる方法？っていうのかな、それもよく知ってるし」
ジョングクの横顔を見てるのに目の前に浮かぶのはジミンの表情とか立ち振る舞いとか、匂い。
そこにいるみたい。
やっと'本当にね'と私が答えるとジョングクが椅子ごと私の方に向き直った。
「でも俺の言葉が足りなかった、ごめん」
ジョングクのこんな暗い表情見た事がなかった。
"ごめん"なんてジョングクが言う必要ないのに。
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かむ(プロフ) - あこさん» それは作中のジミン氏が泣いて喜ぶやつ言葉ですね🥹最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2月29日 7時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 最後の最後でジョングクと付き合うのは予想してなかったです😖⤵ジミンとくっついて欲しかった🥺次はジミンが幸せになるお話をお願いしますm(_ _)m楽しみにしていますね(*^^*) (2月29日 5時) (レス) @page40 id: c61c62757d (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - Tearさん» レスが遅くなってすみませんㅜㅜこちらこそ最後まで読んで下さってありがとうございます！！ (2月27日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
Tear(プロフ) - かむさん…最高です！本当に最高しか言えないです！素敵なお話ありがとうございます！ (2月24日 22時) (レス) @page40 id: f87fa27e4a (このIDを非表示/違反報告)
かむ(プロフ) - senra1003さん» いやいや恐れ多いですぅぅ…ㅜㅜでもそうやって言って頂けると本当に励みになります(；ω；) (2月23日 9時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月20日 19時
