◆*6*◆ ページ6
.
私は
怖かったんだ
過去の恋を未練たらしく引きずって
3年も会えてないのに
まだココロの奥であなたを探し続けてる
自分では"あなたを信じてる"
って、あなたとの約束を大事に大事に守ろうとしてるつもりでも
他の人から見たら
そんなのキレイゴトだって…
"お前は捨てられたんだよ"って
見たくない現実から逃げてるだけって思われるんじゃないかって…
.
だからナナミちゃんに全てを話すのだって
怖くて
怖くて
しょうがなかったの
でも
ナナミちゃんは軽蔑するどころか
私の過去のこと、もっと知りたいって
あなたのことも、忘れなくていいって
そう言ってくれた
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だから私は
初めて、あなたへの想いをなくさないで良かったって
3年間あなたを想い続けてきたことは
間違いなんかじゃなかったんだって
.
この時までは確かに
そう、思えていたんだ
.
.
.
智「…A……なんか嬉しそう…」
「…ぇ？」
コーヒーに入れるお砂糖を摘まみながら
優しい目で私を見る先輩
「……嬉しそう…ですか？」
智「うん…ほっぺがね、ずっとゆるゆるしてた」
にやけてたのかなって思ったら恥ずかしくて
両手で頬を挟んで隠したら
"可愛かったのに 笑"って残念そうに言うから
冗談って分かってても
先輩の率直過ぎる言葉に、心臓がｱﾜﾜってなる
智「ふふ、なんかいいことあった？」
「…いいこと…？」
「…あ、あった…かもです」
智「…んふふ」
特に何があったとか聞くわけじゃなく
"良かったね"って笑う先輩
先輩と話してると
日向ぼっこしてるみたいに胸がぽかぽかになって
穏やかに流れていくこの時間が
私はとても好きだ
.
.
智「…そういや今日ナナミちゃんは？」
「…あ、なんか…おんなじサークルの先輩たちに飲みに誘われたらしくて…」
智「へぇー…ナナミちゃん、そーゆーの嫌いそうやのに笑」
「ふふ、めちゃくちゃ嫌がってました 笑」
智「んふふ 笑」
.
.
あなたとの繋がりが消えてから
ずっと私を気にかけて、側にいてくれた先輩
感謝してもしきれないくらいお世話になってばっかりで…
いつかちゃんとお返ししなきゃ
そんなことを考えながら
イヤリングにそっと触れた
.
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よいこの味方〜新米保育士物語〜
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