◇*31*◇ ページ31
.
「……っ、…やっぱり…」
.
「……ガリガリしてるだけじゃん…」
.
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ﾋﾝﾔﾘ冷たい空気が喉を通ると
甘い
ソーダの香りに
胸が潰れそうになった
.
思わずその場にしゃがみ込んで
深く
深く
息を吸う
.
軋んだ心臓が、痛くて苦しい
あなたの声が
あなたの横顔が
それに追い撃ちをかけるように
瞼の裏で、何度も何度もフラッシュバックするから…
.
うわーん…って・・・・
泣けない私の代わりに
へなへなに弱った恋が
子供みたいな悲鳴をあげた
.
.
「…っ…」
.
.
・・・・好き。
…ずっとずっと大好きだった。
もうかかってこないって分かってても
あなたからの電話を待たない日なんてなかった
一年が過ぎて、二年が経って…
何度新しい季節を迎えても
またふらっと、何事もなかったように
"ばーか"って
優しく笑うあなたが私の隣に帰ってくる日を
ずっと夢見てたの
.
"おかえり"
"待ってたよ"
"約束、覚えてる？"
"離れてる間も、ずっと好きだったよ"
"…本当に、カズが大好きなの"
.
好きで、好きで…
苦しい
もう二度と伝えることが出来なくなった言葉と想いが
胸の中で溢れかえって
いっぱいいっぱいの恋が
苦しい
.
.
なんで・・・・？
なんでもう、戻れないの？
こんなに好きなのに…
この想いはもう
なくさないといけないの？
あなたへの気持ちは全て
思い出にしなくちゃいけないの？
.
.
そう、自分に問い掛けて
確かめるように首もとに触れた指先に
一つの違和感を覚えた
「……ぁ、れ…？」
.
…ネックレスが……ない・・・
……うそ…、まさか、落とした？
でも確かに…昨日まではあった…よね？
思い出そうとしても、昨日は熱でぼーっとしてたせいか
正確な記憶が思い出せない
「…どうしよう…」
熱の頭でも、血の気がｻｧｰっと引いていくのが分かった
.
茫然と座り込んだままの手から
ﾎﾟﾀﾎﾟﾀと床に斑点を作るアイス
あの頃、空色だと思っていたそれが
今の私には
涙の色に見えたんだ
.
ラッキー嵐ドラマ&映画
よいこの味方〜新米保育士物語〜
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