◇*21*◇ ページ21
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ナオキ「…私が接客の方をやっていて、作るのはほとんどもう一人がやってるんです」
「……」
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グラスを持った手を
近付ける事もカウンターに下ろす事も出来ずに
ただじっと…
ゆらりと揺れるピンク色を眺めてた
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これを・・・・
あなたが作ったの？
だって確かこれは…
『お客様のイメージで、お作りしましょうか？』
彼がそう言ってたもので…
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「…これが…私の、イメージ…？」
ナオキ「…はい、そのように伝えたので」
「…」
ナオキ「腕だけは確かなもので…気に入って頂けて私も嬉しいです」
"色も雰囲気も、お客様のイメージにぴったりですね"
にっこりと笑ってそう続けた彼…
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嘘だ…
そんなの…絶対嘘・・・・
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だって…
だってあなたは…
私の方を一度も見てないのに…
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スカートの色だって、知ってるはずないのに…
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それなのに…
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『…A…』
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こんなに胸の奥がｷｭｩ…って萎むような・・・
そんな香りを私にイメージしたっていうあなたは…
本当にズルい。
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ナオキ「…本日はご来店頂きありがとうございました」
「いえ、こちらこそ…私、相当怪しかったのに中に入れてもらって…笑」
ははって
お店の中にいる時とはまた違う…人なつっこそうな笑顔を見せる彼
親しみやすそうな雰囲気が、誰かに似てるなって思って…
「…お名前、聞いてもいいですか？」
そう言うと、「えっ、俺の？」って真ん丸い目をぱちぱちさせて驚いてる
…ほら、そんなところも・・・・
ナオキ「…長谷川ナオキ、っていいます！」
って、お互いに自己紹介をして
最後に握手をした時にほっぺを赤らめて照れたような仕草をしたのを見て
やっと分かった
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…相葉くん、に似てるんだ
茶色がかった丸い瞳とか、にこって笑った時の…お日さまみたいな笑顔とか…
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なんだか、懐かしいな…
そんなことを考えてふふっ…て笑いながら
店の中に戻っていく、ナオキくん…の背中を眺めてた
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ラッキー嵐ドラマ&映画
よいこの味方〜新米保育士物語〜
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