【Fate/Promise】 (ページ8)

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Cream hair ページ8

「そう。分かったわ…ええ……一人ね…ありがとう。」

話をしながら髪留めを解く。手にはガラス製の美しい鳥。どうやらこの鳥と会話しているらしい。
後ろで、金短髪の騎士が少し微笑んだ。
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戦いは無かったものの、少しだけ収穫はあった。
あの少女。誰かに似ている。でも誰に？そこら辺が曖昧でいまいち確信が持てない。
唸っていると、弓兵が食事を持ってきた。悩んでいる姿がおかしいのか少しクスリと笑いながら。

「君も大分性格が解れてきたというか、素が出て来たな。最初は口をきかない人形かと思ったが。」

「うるさいな。お前だって最初は紳士みたいに振る舞おうとしてただろ」

「もとからそういう性格なものでね」

コトリ、皿を置いて弓兵は洗い物に取り掛かった。
若干物寂しさを感じながら、料理に手をつける。弓兵はなんというか、作る料理が繊細だ。だからなのか、興味本位で冷蔵庫を覗くと半日や一日漬け込んでいるようなものが圧倒的に多い。
他にも調味料も多い。よく分からない東洋の言葉で書かれているものもある。あれは何と言うんだったか…確か、料理酒…だったか？今度教えてもらおう。

悶々と考えているうちに完食してしまった。少し頭を下げて感謝の意を示す。席を立って部屋へ戻った。アーチャー、美味かった。と言って。

部屋に戻る途中、長い廊下の窓から見える月が輝いていた。綺麗だ。藍色の空に小さな星達と輝いているさまは儚さすら感じる。生きているのだ、と。夜という短い時間ですらここまで自分を主張しているとは。

「マスター。」

短く、だが、緊迫した声で呼ぶ赤い男。振り返ると動揺した顔でこちらを見る弓兵。なんだ、と声をかけるといや、と返す。ハッキリしない奴だ。

「君が……連れて行かれそうな雰囲気だったからな…」

「そうなのか？」

弓兵曰く、青白い光が体全体を包んでおり、それが人間離れしていたと言う。
人間離れか。魔力を多く持っている時点で化け物じみているが。

「俺が遠くに行くのが、嫌か」

「そうでもないさ。君は一時の主に過ぎないのだから」

「俺は……」

俺は、どうなんだ。弓兵が遠くに行くというのは…何故か分からないが、この弓兵を今ここで切り離したらすぐに壊れそうだ＿とは、死んでも言えない。

「…なんでもない。おやすみ、アーチャー」

手を振って月と弓兵をあとにした。