Life ページ7
『確かにデカいな。相当の上級者とみた。』
「まぁ、家が大きければ魔術の練習にしろ何にしろ、土地が設けられるからな。」
ため息混じりにそうぼやく。コロニナンカ家は攻撃系の魔術を好むが、何の因果か家系が急に途絶え始めた。このまま血を途絶えさせるのもいいが、地に這いずり回っているままでは面白くない。生きるか死ぬかは、当主次第だろう。
「帰るか。ここにいると寒気がしてくる。」
方向転換をして、もと来た道を歩いて行った。
ルーディンオーズの街で、少し休憩を挟もうと木漏れ日の差し込むベンチへと座った。
街を観察していると、ふと、目に留まった少女に違和感を覚えた。
膝まであるだろう柔らかい金髪の髪を後ろで二つ三つ編みにしており、いかにもお嬢様ですといわんばかりの白いミニワンピース。袖口が大きく開かれ、腰に太いベルト。白いパンプスときた。赤いバラを抱えているからか、とても彼女の美しさを際立たせている。
『なんだノア。タイプか。』
「なんだよ急に。違うよ。ただ、なんかその、違和感がある。あの女の子。」
『サーヴァントがいるとしたら霊体化をしているかもしれないな。』
「深くは考えないでおこう。そもそも、多く見てもまだ三人しかマスター候補者が分からない。他の四人もこの街に居るかもしれないんだ。」
『では、ここに長居するのは避けた方がいい。向こうから蝕みにくるぞ。』
「分かった。今日は戦わないって決めたんだ。帰ろう。」
ルーディンオーズの街をあとにする。
赤い令呪が二つ光った。
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作者名:白咲 アオン | 作成日時:2017年12月11日 20時